大和地所レジデンスが分譲中の「ヴェレーナグラン茅ヶ崎東海岸」「ヴェレーナシティ藤沢」「ヴェレーナグラン湘南藤沢」を見学した。3物件とも同社の〝十八番〟である「OPEN AIR LIVING」を盛り込んでおり、売れ行きも好調。同社は、毎年1,000戸前後を供給しても完成在庫を出さないことで知られているが、その理由は商品企画にあることを改めて学んだ。
まず、同社の最上位の〝グラン〟を冠した「ヴェレーナグラン茅ヶ崎東海岸」を紹介する。
物件は、JR茅ケ崎駅から徒歩15分、茅ヶ崎市東海岸南四丁目の第一種低層住居専用地域(建ぺい率50%、容積率100%)に位置する敷地面積約8,236㎡、地上4階・地下1階建て全111戸。専有面積は53.89~100.38㎡。現在先着順で分譲中の住戸(5戸)の専有面積は68.57~75.75㎡、価格は5,098万〜6,158万円。平均坪単価は280万円。竣工予定は2023年2月下旬。設計・監理は恒企画。施工は馬淵建設。
昨年10月から販売を開始しており、これまでに約7割を成約。地元居住者は約2割で、世田谷、中央、目黒、港区など都内が約5割を占めるなど広域から集客できているのが特徴だ。
現地は、第一種低層住居専用地域に指定されているように良好な戸建て住宅街の一角にあり、明治時代から地元の人によく知られていた噴水や池もあった別荘地跡地。同社は相対で用地を取得したが、豊富な湘南エリアでの供給実績がオーナーに評価されたという。
建物はロの字に近い回廊型で、周囲の地盤面より約1700ミリ高く整地したうえ、ユーロデザインを採用。サーフボード置場やシャワーブース、屋上スカイラウンジ、シーズンズガーデン、パーティーラウンジ、キッズルーム、アクアパティオなどの共用施設を整備し、100㎡プラン、奥行き4mバルコニー、ルーフバルコニー、屋上バルコニー、専用庭付きプランなど63タイプを提案。敷地北側には既存樹のマツも一部残している。
主な基本性能・設備仕様は、二重床・二重天井、リビング天井高約2440~2580ミリ、メーターモジュール廊下幅、御影石キッチン・洗面カウンタートップ、食洗機、大理石玄関床(プレミアム仕様)、ミストサウナ、タオル掛け2か所など。全開口サッシ・オープンエアリビング付きは21戸、オープンエアバルコニー付きは7戸。最上階住戸は逆梁ハイサッシを採用している。
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坪単価は高いような気がしたが、最近の湘南エリアのマンションは価格がどんどん上昇しており、基本性能・設備仕様レベルは間違いなく水準以上だ。物件案内をしていただいた同社担当部長・星山淳吉氏とマンションギャラリー課長・松浦敬冶氏は「このところ販売スピードが上がっている」と話したように、購入検討者も周辺物件と比較して、エリアで希少の1低層のランドスケープデザインを含めてこの物件を選択しているのだろう。
もう一つ、これも人気の要因の一つと思われる「茅ヶ崎東海岸」に近いということだ。両氏には車で建設現場と現場から徒歩8分の茅ヶ崎海岸も見せていただいた。茅ヶ崎海岸に出たのは初めてだったが、防砂林の役割の大きさを知った。海岸沿いに走る国道の騒音はほとんど聞こえなかった。時間がゆったりと流れ、潮の香りと寄せては返す悠久の波を満喫した。次の「藤沢」の取材がなければ、丁重にお礼を言ってお別れを告げ、ビールでも飲みたかった。
この市民のプライベートビーチともいうべき海岸に近いというのも購入検討者を惹きつけたのだろうし、エリア一帯の地盤は固く、工事は直接基礎工法で済み、市の津波ハザードマップでも現地の「浸水深」はそれほどでないことも後押ししたのに違いない。(同マンションは津波避難ビルに指定されている)
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これまでも何度も書いてきたが、記者は現場を見ないと成長・自立できない。成長・自立できなければ、いつお払い箱にあっても不思議でない不安定な立場に置かれていることを自覚すべきだ。事大主義に凝り固まり、プロパガンダのプレス・リリースのコピペ記事ばかり垂れ流してどうする。
記事の冒頭に、同社は毎年1,000戸前後を供給して完成在庫を出さないとも書いた。ジャーナリストを自称する貴殿または貴女、あなたはその理由を知りたくないのか。同社のモデルルームなどの販売現場を見ないと、その理由をつかむことは絶対できないだろう。
大和地所レジ 茅ヶ崎の1低層で111戸 モデルルームオープン(2021/9/3)