積水ハウスとNPO法人西山夘三記念すまい・まちづくり文庫(以下、西山文庫)は4月19日、日本建築学会賞(業績部門)を受賞したと発表した。
同社と西山文庫が共同で受賞したもので、同社は1997年に西山文庫を総合住宅研究所(京都府木津川市)に開設して以来、すまい・まちづくりにおける共同研究や寄付などの形で多方面から活動を支援してきた実績が評価された。
西山文庫は、すまい・まちづくりの科学的実践研究の先駆者である西山夘三教授(京都大学名誉教授)が亡くなった5か月後の1994年8月に、教え子たちを中心に「西山夘三研究会」が設けられ、全国の研究者などに呼びかけ西山文庫を設立。所蔵資料の保管と公開を軸に多様な活動を継続している。
同社執行役員 住生活研究所長・河崎由美子氏は、「この度はこのような素晴らしい賞を授与していただき誠にありがとうございます。わが国の住まい・まちづくり研究に多大な影響を与えた西山夘三氏の精神を受け継ぎ次代の研究者に提供し育てるということが『西山文庫』の使命であると考え、毎年さまざまな成果を上げ日本でも稀有な事例であるため、当社は当初から活動を支援しています。住宅業界にとって、住まいや暮らしにかかわる研究知見や文化を継承していくことは、重要な社会的責任のひとつであると思います。これからも西山文庫の幅広い活動を支援していくことで、積水ハウスの住生活提案にもつなげていきたいと考えています」とコメントを寄せた。
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受賞、おめでとうございます。
「西山文庫」があることなど全然知らなかった。記者は駆け出しのころ、西山先生の著作をむさぼるように読んだ。マンションや戸建て、街づくり、住宅政策のあるべき姿を学んだ。バイブルのようなものだった。
今でも住宅の取材姿勢は、基本的には(正直に告白すれは、途中で記者か変節したというか先生についていけなかった)、西山先生の著作・考え方が刷り込まれているからだと思っている。河崎氏は神戸大の建築学科卒だが、きっと西山教授の影響を受けているに違いない。そうでなければ「幸せ住まい」など語れないはずだ。