大和地所レジデンスは6月7日、東武スカイツリーライン西新井駅から徒歩14分の「ヴェレーナシティ西新井」(118戸)が完成したのに伴うメディア見学会を行った。2020年12月から販売開始し2022年2月に完売した極めて好調な物件で、歩留まり率は23.6%に達した。販売好調の秘密を見た。
物件は、東武スカイツリーライン西新井駅から徒歩14分、足立区六月二丁目の第一種住居・第一種中高層住居専用地域(建ぺい率60%、容積率249.60%)に位置する10階建て全118戸。専有面積は65.78~85.68㎡、価格は3,688万〜6,198万円、坪単価は213万円。竣工は2022年5月。設計は建築計画。施工・監理は長谷工コーポレーション。
2020年12月から販売開始し2022年2月に完売。総来場者は約500組。購入者の約半数は足立区居住者で、都内が全体の8割。
見学会で物件を案内した同社建築企画第2部長兼建築管理部長・木村美則氏(57)は、「今回は、当社独自の企画を形にしてくれる施工会社に工事をお願いした」と話した。
オープンエアリビング・プライベートガーデン
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この物件については昨年5月10日付で記事化している。変更部分はほとんどないので参照していただきたい。以下は追加分。
まず単価。前回の記事では坪単価210万円と書いたが、正確には213万円だった。これは当初から213万円だったのか途中で値上げしたのか、同社は明言しなかった。想像に任せるほかないが、平均70㎡として1坪当たり3万円というのは利益率に大きな影響を与える。
来場者が約500組だから、歩留り率は23.6%だ。極めて高い。販売期間15か月というのは、1か月当たり7.9戸の進捗だ。立地、価格などからして極めて好調と見ることができる。これも利益率に大きな影響を与える。
同社のマンションを紹介する都度書いているので詳細は省くが、好調の要因は全て商品企画にあると断言できる。同社のような独立系で非上場の供給大手はモリモト、ポラスがあるが、いずれも商品企画が優れているのが共通する。
同社の2021年3月期の売上高は392億円、営業利益は57億円で、営業利益率は14.6%だ。利益率は他のマンションデベロッパーと比較してトップクラスであるのは間違いない。2022年3月期の決算は現段階で公表されていないが、年度末にあった完成在庫4戸も4月までに完売したというから、引き続き好調を維持しているようだ。
前回の取材で紹介しなかった最上階の東南角の85㎡の特殊住戸は、間口12,600ミリで二重床だった。また、容積率を余していたことから6階から10階までの南側バルコニーは2,500ミリ確保しているのも特徴の一つ。
今回の見学で初めて知ったのは、災害時の閉じ込めなどに対応する「エレベーターチェア(防災備蓄ボックス)」が備えられていたことだ。5年程前から装備しているもので、ボックスの中には飲料水、トイレキッド、照明器具、保温シートが入っているという。
これまで、この種の備蓄ボックスに注目などしたことは一度もないので分からないが、標準装備としているデベロッパーなどほかにないのではないか。
他では、浴室のタオル掛けは2か所、約70㎡のエントランスホールにはWi-Fiを装備、集会室には約1畳大の個室となったコワーキングラウンジを3カ所、オープンスペースにコワーキングブースを3カ所設けている。
どうでもいいことだが、業界紙にも一言。同社はこれまでモデルルームや竣工見学会はほとんど行ってこなかったが、方向転換して実施するようになったものだ。
今回も同社は業界紙に声を掛けたそうだが、応じたのは小生を含め3名だった。これはいかがなものか。〝か・ち・も・な・い〟ブレス・リリースをコピペするのは単なるリライターだ。そんな記者に明日はない。
価格と駅距離の壁跳ね返す 大和地所レジ「西新井」5カ月で半数成約(2021/5/10)