RBA OFFICIAL
 
2022/08/06(土) 08:52

入居者の読み終えた本を貸し出す「循環ライブラリ」 三井不レジ「文京本駒込」

投稿者:  牧田司

sub1.jpg
「循環するライブラリ」

 三井不動産レジデンシャルは8月5日、古本買取・販売を展開するバリューブックスと提携し、入居者が読み終えた本を次の読み手に届けるサービス「循環するライブラリ」を、今秋分譲するマンション「パークホームズ文京本駒込」の共用部に導入すると発表した。今後も両社の連携を拡大しながら他の計画物件にも順次展開していく。

 バリューブックスは、オンラインでの古本買取・販売を中心に、実店舗やパートナー店舗での販売、さらには買取できなかった本の一部を保育園や福祉施設に寄贈する「ブックギフト」、移動型書店「ブックバス」などを通じて〝本が循環する社会〟を目指している書店。

 同社には一日約2万冊の本が届き、そのうち値段がつく本は約半数の約1万冊。大半が古紙再生に回るという現状があるなか、持続可能な社会の実現・SDGsへの貢献を目指す三井不動産レジデンシャルと連携することで、マンションのコミュニティ醸成に生かすのも目的の一つ。

 サービス導入1号物件の「パークホームズ文京本駒込」の共用部に2層吹抜けの空間を活用したライブラリを設置。本棚には約1,800冊の蔵書を収め、そのうち約1,500冊を古本から選書、3か月に1度、定期的に100冊程度の入れ替えを行う。

 また、買取金を管理組合に還元することを前提に、入居者が読み終えた本を寄贈するための本棚も設定し、一定期間が過ぎた後はバリューブックスが買取る。

 マンション内の蔵書は、バリューブックスが提供する「オンラインライブラリ」で検索、24時間貸出可能。入居者様同士で書籍のレビューをし合う取り組みの導入も検討している。

 今回の協業について、バリューブックス取締役・中村和義氏は「本が循環するライブラリを一緒につくり上げていくという、弊社としても新たな試み。誰かが大切にしていた本が、次の読み手にわたっていくこと、最後は古紙として再生されていくことだけでなく、物の流れを体感できるような空間をつくり出していく」とコメントを寄せている。

 物件は、JR駒込駅から徒歩6分、文京区本駒込五丁目に位置する14階建て全88戸。完売開始予定は2022年秋。竣工予定は2024年3月。設計・施工は村本建設。

51782-323-56f6bf545297710aacfb69d68bd7039f-842x1369.jpg
「パークホームズ文京本駒込」

◇        ◆     ◇

 小生は読んだ本は捨てがたく、二束三文にもならないので古本屋にも売ったことはないが、一日中、神田の古本街を徘徊していたこともある。思いがけない古本に出会ったときなどは例えようもない喜びを感じたものだ。昔は貸本屋があったのでよく利用したものだ。自分の本(稀覯本に近いものも結構あるはずだ)を貸し出すのには何の抵抗もないが、そんな手段はないのが残念だ。

 今回の取り組みはとてもいいと思う。パラアーティストのアート作品をマンション共用部に展示・購入できるサービスや、大規模修繕工事を長周期化することで、運用段階のライフサイクルCO2排出量を約38%削減する三井不動産レジデンシャルの取り組みに注目しているのだが、同社はまたマンションに新たな価値を付加した。

 コストはかかるだろうが、同社が分譲するマンションすべてに導入したら数十万、数百万冊に達するのではないか…もっと多いか。

 

 

 

rbay_ayumi.gif

 

ログイン

アカウントでログイン

ユーザ名 *
パスワード *
自動ログイン