野村不動産は8月16日、マンションの建替え等の円滑化に関する法律(円滑化法)を用いた敷地売却事業に着手したと発表した。港区の築42年の分譲マンションを同社のオフィスビルシリーズ「PMO」に建て替える。
従前の分譲マンション「高輪交陽ハイツ」は1980年竣工の12階建て全106戸。2013年に実施した耐震診断の結果、耐震強度不足が判明し、また設備配管の劣化等建物の老朽化問題を抱えていることが判明し、その後、2016年から建て替えを含む再生の検討が開始された。同社は2019年8月、事業協力者として参画し、4つの手法(①建て替え②マンション用地としての敷地売却③複合建物用地としての敷地売却④オフィス用地としての敷地売却)による再生方針を検討・協議をかさね、JR高輪ゲートウェイ駅の開業や品川駅周辺再開発プロジェクト着工などオフィス立地として適した環境であることから、2019年12月にオフィス用地として敷地売却を推進することが決議された。
物件は、都営浅草線泉岳寺駅から徒歩1分、JR高輪ゲートウェイ駅から徒歩8分、港区高輪2丁目に位置する敷地面積約250坪、10階建て延床面積約1,700坪の「PMO 高輪(仮称)」。竣工予定は2024年度。
国土交通省のデータによると、2022年4月現在、円滑化法による敷地売却事業は17件、うちマンションの除却に至ったものは6件で、令和3年3月末現在の東京都のデータでは敷地売却事業の事例は7件。