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2022/11/16(水) 13:05

業界初 家庭の脱炭素の取り組みに特典・商品提供 三井不レジ「くらしのサス活」

投稿者:  牧田司

 三井不動産レジデンシャルは11月15日、東京電力エナジーパートナーとファミリーネット・ジャパンの協力のもと、日々のくらしを豊かに、楽しみながら、持続的に脱炭素活動が行える「くらしのサス活」を12月1日から開始すると発表した。この種の取り組みは住宅業界初という。

 「くらしのサス活」とは、すまいとくらしにおける脱炭素行動のリスト化と同社マンションの住戸ごとのCO2排出量・削減量の見える化を実施し、これらを活用した脱炭素活動への参加を募り、その参加者に対し抽選で商品・特典を提供するもの。

 今年度は、第一弾としてTOKYO UNITE(東京をホームタウンとする14のスポーツチーム・団体が参画)とタイアップした「くらしのサス活2022冬」を開催。厳しい電力需給が想定される12月1日から2023年1月31日の2か月間、自宅でできる脱炭素活動をまとめた「くらしのサス活リスト」を配布、期間内にリスト記載の脱炭素活動を実施し、応募の中から抽選でTOKYO UNITE参画チーム・団体による特典を提供する。取り組み期間中に約1,000tのCO2削減を目指す。

 同社は、首都圏マンションの各住戸でCO2排出量・削減量をDXにより自動集計および見える化し、入居者が定量的なCO2削減量に応じた様々な特典を得られる仕組みの構築を進めている。

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 結構な取り組みだが、業界初とは驚いた。業界では、集客を増やすためにモデルルーム来場者に分譲価格にオンされる数千円の商品券などを配布する一方で、一括受電や高効率エアコン、エネファーム、エコジョーズ、保温浴槽、節水トイレ、LED照明などの採用により年間光熱費は数万円も節約できるなどと宣伝している。

 CO2削減では、マンション家計簿もそうだ。例えば、三菱地所レジデンスの「soleco(ソレッコ)」。同社はもう10年くらい前から光熱費などの「見える化」を進めており、戸別のCO2排出量を記載している。同様のサービスをみんな行っていると思っていた。

 三井不動産レジデンシャルのマンションでの脱炭素の取り組みでは、建築時に高耐久部資材を採用することで、運用段階のCO2排出量を約38%削減し、60年間で大規模修繕工事回数を2回減らすことができ、約14%のコストを削減する試みに注目している。その第一弾「パークホームズ志木コンフォートテラス」135戸に消費者はどのように反応するかにも興味がある。

 既に分譲は始まっており、物件ホームページでは購入者22名のアンケート調査による「購入のポイント」がYouTubeで配信されている。最大の評価ポイントは「70㎡超で5,000万円台」の価格帯で、その他は生活利便性、立地、眺望、共用部、間取りなどだった。CO2削減・コスト削減も購入のポイントになっていることの言及はなかった。

 マンション購入検討者としては、3K(価格・交通便・環境)が重要であって、管理費や修繕積立金の額は二の次になるのは理解できるが、デベロッパーのこのような脱炭素の取り組みを適正に評価することも求められている。

 この点に関連することだが、マンションの資産価値・居住価値の見える化を進めるマンション管理適正評価制度がスタートした。管理の良否を★5つ(★なしを含めて6段階)で評価するもので、現在126物件が登録されている。このうち満点の★5つは43件で、管理会社別では三井不動産レジデンシャルサービスの7物件が最多。以下、伊藤忠アーバンコミュニティーの5物件、長谷工コミュニティの4物件、野村不動産パートナーズの4物件、東急コミュニティーの3物件、三菱地所コミュニティの3物件となっており、この6社で半数以上を占めている。

 あと数年もすれば、マンション管理会社もデベロッパーもこのようなデータによって評価・選別される時代が間違いなくやってくる。

 

 

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