右から大畑氏、関藤氏、中尾氏、パーク七里御浜代表取締役社長・辻利文氏、ツーリズムみはま代表理事・湊賢一郎氏
三重県御浜町、積水ハウス、クラダシ、パーク七里御浜、一般社団法人ツーリズムみはまの5者は11月28日、「御浜町における食品ロス削減及び特産品のPRに向けた連携協定」を締結したと発表した。
積水ハウスとマリオット・インターナショナルが推進する地方創生事業「Trip Base 道の駅プロジェクト」の地域活動の取り組みとして積水ハウスが主導したもので、「Kuradashi」での商品の販売をはじめ、各者が協力して担い手不足による未収穫産品の解消や不揃い、規格外果実の加工によるフードロスの削減、一次産業における消費行動への変容を促すとともに、御浜町のPRと地域活性化を目指すのが目的。
具体的には、全国の大学生・大学院生を対象に12月12日(月)~12月18日(日)、社会貢献型インターンシップ「クラダシチャレンジ」を実施する。定員は6名で、道の駅パーク七里御浜に隣接する「フェアフィールド・バイ・マリオット・三重御浜」を学生の宿泊場所として利用し、学生は担い手不足により未収穫となってしまう可能性のあるみかんの収穫を支援するほか、学生が収穫したみかんを、道の駅パーク七里御浜内のジュース工場でみかんジュースに加工する。期間中に学生と役場職員の意見交換会も実施する予定。
クラダシは、フードロスや地方創生に興味のある学生が日本全国の人手不足で悩む地域・農家を訪れ、収穫支援や現地での交流を行う社会貢献型インターンシップ「クラダシチャレンジ」を2019年から実施しており、参加学生の旅費や滞在費、食費などすべて同社が設立したクラダシ基金から拠出している。
積水ハウスは、「未知なるニッポンをクエストしよう」をコンセプトに、道の駅と隣接するホテルを拠点として、「地域の知られざる魅力を渡り歩く旅」を提案し、地域や自治体、パートナー企業とともに、観光を起点に地域経済の活性化を目指す地方創生事業「Trip Base道の駅プロジェクト」を展開している。
2020年10月から開業したホテル「フェアフィールド・バイ・マリオット」は現在、9道府県20か所(約1,600室)を展開。2025年には26道府県、約3,000室規模への拡大を目指している。
協定式に臨んだ御浜町町長・大畑覚氏は、「町は長年にわたって年中みかんがとれる町として産業支援を行っているが、近年は高齢化や人口減少により収穫が困難になってきており、雇用も伸びていないのが現状。今回の協定が食品ロスの解消と街のPRにつながると期待している」と話した。
クラダシ代表取締役社長・関藤竜也氏は「当社は〝ソーシャル・グッド・カンパニーであり続ける〟をミッションに、〝日本で最もフードロスを削減する会社〟をビジョンにそれぞれ掲げている。会社設立以来、1万トンの食品ロスの削減を実現したことから様々な賞も受賞している。今回の協定で、町の未来が明るくなるよう事業を推進していく」と語った。
積水ハウス開発事業部トリップベース事業推進室長・中尾茂樹氏は「地方創生、持続可能な社会の実現を目指す非常に意義深い協定。地域を元気にするため全力で応援していく。同様の取り組みをこれからも展開していく」と述べた。
御浜町は三重県のほぼ南端に位置する人口約8,100人の町。「年中みかんのとれるまち」をキャッチコピーに様々な品種のみかんが栽培されているが、近年は高齢化や後継者の減少による担い手不足、それに伴う遊休農地や耕作放棄地の増加、農地の集積の停滞、獣害の増加などの課題を抱えている。町は「第6次御浜町総合計画」の重点プロジェクトの一つに「みかん産地の再生」を掲げている。
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三重県出身の記者は、御浜町は町名だけは知っていたが、和歌山県境に近い最南端なので行ったことはなく、「年中みかんがとれる町」であることも知らなかった。とてもおいしいさんまの丸干しの産地ではなかったか。今回の協定で〝全国区〟になりそうなので、とても嬉しい。
そしてまた、このような社会貢献型インターンシップがあることも全然知らなかった。三菱地所の学生が経営する「アナザー・ジャパン」も最高に素晴らしいと思ったが、「クラダシチャレンジ」は労働力を提供するだけで旅費、滞在費、食費が掛からず、役場の人たちと意見交換できる。大学にもよるだろうが、単位も取れるはずで、申し込みが殺到するのではないか。近ければ、飛んで行って取材したいのだが…。
「フェアフィールド・バイ・マリオット・三重御浜」