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2022/12/09(金) 20:15

小中学も出展、花咲く和紙、むかつく酒、昆虫ビジネス、ホタテ殻…「SDGs Week」

投稿者:  牧田司

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Nano Cellulose Vehicle(ナノセルロースヴィークル)

昨日は、「SDGs Week EXPO 2022」見学取材でもっとも印象に残った、木製廃パレットや建築足場古材をヴィンテージ家具に変貌させる「PALLET HOUSE JAPAN」を紹介した。今日はとても嬉しくなったブースを紹介する。

見学を開始して1時間くらい経過したころか。出店者はわが国を代表する大企業や官公庁の大きなブースが競い合うように並んでいたが、一番隅っこに1ブース1坪くらいの大学・教育機関コーナーがあった。大半は全国の大学だったが、だからこそひときわ目立ったのは杉並区立浜田山小学校5年生と立命館慶祥中学校のブースだった。

浜田山小学校の「緑のカーテンをつくろう」プロジェクトは、SDGsの言葉すらなかった10年前から〝地球温暖化が大変だから〟〝わたしたちにもできることがあるはず〟として5年生(今年は133名)の教育プログラムに取り組んでいるもので、ゴーヤの土づくりから定植-摘心・誘引-温度測定-エコ調理まで行っている。活動を広げるため、育てたゴーヤの苗を各家庭に販売し、出展費用2万円をねん出しているというから凄いではないか。

ゴーヤの緑のカーテンづくりは、全国の小・中学校でも浸透しているはずだが、その成果・効果をきちんと報告しているところなんてあるのだろうか。

立命館慶祥中学校は北海道江別市に位置することから、市のPRに貢献しようと特産品などを紹介していた。生徒さんが来場者に説明する光景はなんとも微笑ましいものだった。

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浜田山小学校5年生「緑のカーテンをつくろう」

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 ドランカーの記者にとって、もっとも嬉しかったのは全国の棚田で生産された米を原料にした名酒が試飲できたことだった。110cc100円。「むかつく」「泣かす酒」「上勝」「棚田」の4銘柄を飲んだ。「むかつく」は山口県長門市の地名「向津具(むかつく)」で、「泣かす酒」も山口県周南市の「中須地区」に由来するというから面白い。ラベルだけで売れるのではないか。

 日本の棚田共同展示コーナーでは、全国の美しい棚田212か所を紹介する家の光協会「全国棚田ガイド」(2017年刊)を正価2,500円のところ特別価格1,000円で買った。1か所見開き2ページで、美しい棚田の様々な情報が得られる。

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試飲した日本酒

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 絵画を趣味とする小生の興味を引いたのは、NTT ArtTechnologyのデジタル絵画だった。世界の名作49作品をデジタル処理し、光通信によって配信するサービス。見た目には本物とほとんど変わらない。オフィス、病院、その他の公共施設向けで、レンタルプランは初期費用が57,300円~、月額費用は80,000円~。価格が安くなれば一般家庭へも普及するかもしれない。

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デジタル絵画

           

 山梨県身延町の和紙のものづくり技術に種子を漉き込んだ再生紙・シードペーパー「花咲く和紙」も夢がいっぱい詰まったアイデア商品だ。紙としての役割が終わっても、水に浸すと発芽し、花が咲き、土に還る。なんだかわれわれ人間の一生のように思えてくるではないか。

 種子はなんでもいいわけではないとのことだが、太古の種子が発芽した例もある。そのうち何代も先の家族にメッセージとして贈る時代がやってくるかもしれない。

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「花咲く和紙」

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 昆虫ビジネスが脚光を浴びているようだ。今回の「SDGs Week EXPO 2022」でもコオロギ(オールコセイ)やバッタ(弘前大学)を養殖し、食用に利用するブースが展示されていた。コオロギのかりんとうを試食したが、少し硬く甘かったので酒のつまみにはどうか。ポテトチップスのようにスライスしたものは普及するのではないか。

 バッタは、わが国でも佃煮として食用として利用されていた。エスカルゴ、ハチ、サワガニ、スズメ…などもそうだが、慣れないと食べられない。これが課題だ。

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「コオロギは地球をすくう」

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 甲子化学工業の廃プラスチックとホタテ貝殻を混ぜ合わせて製作したヘルメットのデザインが素晴らしかった。普通のヘルメットよりやや重く感じたが、様々な形態に加工できるそうで、いろいろな用途に応用できると思った。もう少ししっかり取材すべきだったか。カキ殻を消臭剤にしたブースもあった。

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ホタテ殻を用いたヘルメット

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これまで小さなブースばかり紹介してきたが、このほかにも注目すべき出展は数えきれないほどある。環境省の電動部材すべてに次世代半導体材料 GaN(窒化ガリウム)を使用した電気自動車All GaN Vehicle(オールガンビークル)、車体に CNF(セルロースナノファイバー)を活用した Nano Cellulose Vehicle(ナノセルロースヴィークル)、住友商事マシネックス/近畿大学 リエゾンセンター/ナニワ炉機研究所による光合成に起因するほぼ全ての植物から形成できる固形燃料バイオコークス、エプソンの使用済みの紙から新たな紙を生産するオフィス製紙機「PaperLab」などには人だかりができていた。

SDGs Week EXPO 2022」は、主にBtoBを対象とするイベントだからやむを得ないが、ハウスメーカー・デベロッパーの出展はほとんどなったのは残念だった。

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バイオコークスのブース

「世界でうちだけ」 10年で半額、20年で全額買戻し PALLET HOUSE JAPAN2022/12/08

 

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