菰田社長(東京ミッドタウン八重洲で)
三井不動産は3月7日、「六本木」「日比谷」に続き3か所目の〝東京ミッドタウン〟となる「東京ミッドタウン八重洲」が3月10日にグランドオープンするのに先駆け社長記者会見・プレス内覧会を行った。メディアの取材申し込みは300名に達し、同社も含めたデベロッパーのコロナ以降では最多となった。
会見に臨んだ同社代表取締役社長・菰田正信氏は記者団の質問に対し、「2012年社長に就任したとき、8つのプロジェクトが進行中と話したが、『日比谷』に続き3つ目の『東京ミッドタウン八重洲』が完成し、しかもオフィスは満床稼働するのは、平板な言い方だが感無量」と語った。
また、次のミッドタウンについては、「地権者次第だが、4つ目、5つ目を進め、さらに進化させたい」と意欲を見せた。
日本橋・八重洲を中心とする東京に足りないもの・課題については「外国人の子供向けの教育と暮らしを支える医療、それとレジデンスは十分でない」と語った。
菰田氏はまた、日本橋・八重洲エリアを「東京のゲートウエイ」と話した。
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菰田社長が今後の日本橋・八重洲の開発について「レジデンスは十分でない」と語ったのは注目される。これまで、日本橋・八重洲の外周部の銀座、築地、茅場町、人形町などではマンションが供給されてきたが、日本橋・八重洲アドレスでは少なく、同社が2014年に建設した全54室の賃貸「パークアクシスプレミア日本橋室町」があるくらいだ。
また、三菱地所の大丸有エリアでもマンションはほとんどなく、4月1日付で三菱地所の社長に就任する取締役兼代表執行役執行役専務・中島篤氏は2月16日の会見で、大丸有エリアについて「グループの総力を結集してビジネスだけでなく居住、文化、エンターテイメントなどを取り込んで魅力ある空間にし、国際化にも寄与したと考えている」と語っており、これまでにない住宅開発を行うことを匂わせている。
この二人の発言からして、日本橋・八重洲、大丸有エリアに分譲・賃貸マンションが建設されるのは間違いなさそうだ。どちらが先にどこで供給するか。記者は分譲なら坪単価3,500~5,000万円、賃貸なら月額賃料200~300万円になるとみている。
菰田社長は4つ目、5つ目の〝東京ミッドタウン〟の開発に意欲を見せたことから、次の東京ミッドタウンは同社の発祥の地・日本橋になると記者は予想する。これはほぼ間違いないはずだ。
三井不動産 ビルも賃貸も億ション並み「和」盛り込んだ「日本橋再生」(2014/1/29)