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2023/03/08(水) 12:07

Z世代の声反映 可変性、多様性、シェア…住宅本来の役割具現化 ポラス「北浦和」

投稿者:  牧田司

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「B/N北浦和」

 ポラスグループのポラスマイホームプラザは3月6日、いずれも1~2棟の、それぞれコンセプトが異なる分譲戸建て3現場の竣工見学会を行った。Z世代の声を反映させたり、注文住宅を建てるような体験が出来たり、細部まで設計者のこだわりを盛り込んだことなどが評価され、早期完売。分譲戸建てはかくありきの商品企画が光った。

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 まず、記者がもっとも注目した「B/N北浦和」から。「B/N(ビーエヌ)」は、同社の7つ目の最新ブランド。「B」は基本を意味するBASIC、「N」はNATURAL、あるいはNEUTRALの頭文字からとったもので、テーマは「シンプルモダンデザイン」。

 事前の説明で、物件は全世代向けだが、同社のZ世代のスタッフの声を企画に盛り込んだのが特徴で、北浦和駅からバス17分の全2棟、価格は4,000万円台の前半であることが紹介された。

 今の10代の前半から30歳未満と言われるデジタルネイティブのZ世代のことなどまったく分からない記者は、てっきり〝価格ありき〟のいわゆるパワービルダーと同じ土俵に上がり、消耗戦に参戦するのかと思った。

 しかし、現地について外観を眺めた限りではそのような気配はなかった。基本性能・設備仕様レベルをチェックしたが、パワービルダーの物件とは似て非なるものであることも確認できた。それどころか、価格からしてむしろ性能は高く、白と黒を基調としたデザイン・カラーリングセンスが抜群なのに驚いた。

 そして、物件の基本設計を担当した同社設計課営業企画設計係係長・高橋健太郎氏氏(47)の話を聞いて、「B/N」のコンセプト、Z世代の声をどうして反映させたか、その意図も分かった。

 高橋氏は、「敷地南側は対面の建物の室外機が目に入るので、開口部は北側に設けざるを得なかったが、北側に居室と緩やかにつながる明るい空間を設けることができた。子ども部屋は1つ、居室の扉を設けず、多目的に利用できるオープンな空間を演出することで、空間をシェアし、可変性を持たせたのが特徴」と話した。

 Z世代の声の取り込みかたユニークだ。一般的な社内プレゼンは、経験豊富な審査委員(上司)がプレゼンター(部下)の報告を評価・採点するのが普通だろうが、同社はその逆だ。スマホなどZ世代向けの商品が他の世代でも人気になっていることに着目。ベテラン事業担当者4名がZ世代の設計担当4名、営業スタッフ5名に対してプレゼンし、プレゼンターの提案を50点満点、Z世代の提案を50点満点、合計100点満点で採点。最高得点を獲得した高橋氏の基本設計をもとに、Z世代スタッフが全世代向けのプランを共同で商品化したものだ。

 実施設計を担当したのはZ世代の同社設計課実施設計係・田上彩水氏(26)で、田上氏は「わたしは姉と一緒に6畳間を寝室にしていました。違和感はありませんでした。勉強はリビング。プレゼンでは自由に提案していいということでしたので、フィットネスルームにも居室にもなる可変性のある空間、必要ない建具は極力少なくし、カラーリングもドアノブを白のドアと統一するなど目立たないようにしました。一つの写真で全て見える〝映える〟にも気を配りました」と、営業担当のZ世代の営業課2課・根本和磨氏(25)は、「フィットネスにも居室にもなるいろんな趣味が生かせる、多様性をアピールしました」とそれぞれ語った。

 写真を添付したので、じっくり見ていただきたい。LDKスペースをたっぷり取り、間仕切り壁を取り払った空間、大きめの主寝室と対照的な子ども部屋を想定した4畳大の居室などは、ライフスタイル・ステージに柔軟に対応することが求められる住宅本来の役割・機能を具現化、キーワードである「可変性」「多様性」「シェア」を見事に表現している。ドアノブ一つにこだわった田上氏はZ世代の特性なのか、それとも田上氏自身の感性か。これは分からない。次の作品を見たい。大化けするのではないか。

 物件は、JRB北浦和駅からバス17分、バス停から1~2分、さいたま市緑区に位置する全2棟で、土地面積は108.17・104.03㎡、建物面積は100.29・103.08㎡、価格は4,190万・4,290万円。木造2階建て、施工はポラテック。建物完成は2023年1月下旬

 2階リビングの1号棟は、LDK(20.6帖)、多目的に利用できるカフェ、ブックシェルフ、主寝室(9.0帖)、居室2室(5.3帖、4.6帖)など。1階リビングの2号棟はLDK(22.3帖、スタディルーム約5.8㎡含む)、主寝室(7.3帖)、居室(4.3帖)、スタディルーム、トレーニングルーム(1.0帖)、芯心1mの階段、ピクチャーレールなどが特徴。

 リビング天井高2700ミリ、床は挽板(1号棟除く)、ソフトクローズ機能付き引き戸・開き戸、階段ステップ15段などは標準仕様。

 同社部長・森田昌久氏は、「今回の3現場はすべて異なるコンセプト。一つひとつゼロから商品化したのが特徴。この『北浦和』はZ世代をターゲットにしたものではないが、全世代に興味を持っていただけるはず。今後の同様の商品を提供していきたい」と語った。

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〝映える〟LDK

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アメニティ、ドアノブにまで白にこだわったデザイン

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左から根本氏、高橋氏、田上氏

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