三井不動産を幹事会社とする「HARUMI FLAG」の賃貸街区事業主10社は8月29日(火)、賃貸街区「PORT VILLAGE」のオフィシャルサイトを開設したと発表した。賃貸街区は全4棟1,487戸で、2023年9月下旬に入居者の募集開始し、2024年1月下旬に入居開始を予定している。
「PORT VILLAGE」は、街区中央にサクラやケヤキなど62種約700本の植栽を施し、約7,000㎡の中庭空間を設け、噴水とともに水景を配置した「MINAMO GARDEN」、子ども用の遊具などを配置した「KODOMO PLAZA」を整備する。街区内には、保育園が開設されるほか、隣接地には中央区立小中学校が新設される予定。
建築物のスカイラインは「ダイナミックシンメトリー」を採用。日本の洗練された建築の伝統が感じられるスカイラインをデザイン。建物は3層の構成とし、分節手法による「ひだ」「もやい」「照り・むくり」を外装の要素に取り入れ、それらの要素を「結」うランドスケープを創出する。
一般賃貸住宅は、単身者やDINKS、ファミリー、シニア層の入居を想定し、幅広いプランバリエーションを用意。共用部分には約350㎡の大浴場のほか、多目的に使用できるイベントスペース、キッチン付きのパーティルーム、フィットネスルーム、シアタールーム、ワークスペースや会議室を設置する。
シニア・ケアレジデンス、シェアハウス、保育施設の運営は東急イーライフデザイン、シェアハウスの運営はリビタ、保育施設の運営はポピンズ エデュケア。
物件は、都営地下鉄大江戸線勝どき駅から徒歩14~16分(新交通システム「BRT」により新橋駅や虎ノ門に直結予定)、中央区晴海五丁目に位置する敷地面積約26,300.㎡、15~17階建て4棟1,487戸(一般賃貸住宅1,258戸、シニアレジデンス158戸、シェアハウス(71戸/114室)、ケアレジデンス50室)。専用面積は一般賃貸住宅が28.71~103.03㎡・159.20㎡・171.66㎡、シニアレジデンスが36.68~66.31㎡、ケアレジデンスが18.17~20.57㎡、シェアハウスが25.01~92.09㎡。竣工予定は2024年1月15日。入居予定は2024年1月下旬。設計は日建ハウジングシステム、東急建設、施行は東急建設。
「HARUMI FLAG」は、約13haの東京都施行による晴海五丁目西地区第一種市街地再開発事業で、特定事業者11社による5,632戸の分譲住宅・賃貸住宅と商業施設の合計24棟から構成される、人口約12,000人の街づくり計画。
◇ ◆ ◇
戸数規模だけなら、UR都市機構のほか民間賃貸でも今回の「PORT VILLAGE」より大きい物件はありそうだが、これほど多彩なプランを備えたものはまず他にないはずだ。
記者はランドスケープデザイン、建物のファサードに注目した。とくに建物の外観デザインは、超高層の「HARUMI FLAG SKY DUO」もそうだが、シンメトリーなのがいい。それに「ひだ」(プリーツ)「もやい」(結び方)「照り・むくり」(反り・起伏)「結う」(結合)などのわが国の伝統的な建築手法を用いているという。街区名に三井不動産のマンションブランド「Park」(公園)でも三菱地所の「Park」(駐車場)でもなく、「PORT」(港)にし、かつて東急不動産のブランド「VILLAGE」を用いたのは施工が東急建設で、シニア・ケアレジデンス、シェアハウスなどの運営を東急イーライフデザインが担当するからか。完成したらしっかり見学したい。