大和ハウス工業と大和リビングは9月5日、エネルギー事業を展開するサンワ(本社:群馬県前橋市)とともに、雨天時でも約10日間の停電に対応可能な、ネット・カーボンマイナス賃貸住宅の実用化に向けた実証実験を「(仮称)エコンフォート前橋駒形」で開始すると発表した。一般的な賃貸住宅と比較してCO2排出量収支200%削減を目指す。実証実験は2023年12月27日から2025年12月26日までの2年間。
実証実験では「全天候型3電池連携システム」と「カーボンニュートラルLPガス」を採用。前者は、太陽光発電システムとエネファーム、家庭用リチウムイオン蓄電池を大和ハウス工業が開発した「切換盤」で連携させることで、停電時の電力と給湯を確保するとともに、通常時の光熱費を削減するシステム。
後者は、原料採取から最終利用までの全ての過程で排出されるCO2を植林や森林管理などによる環境保全活動などにより差し引き、実質「ゼロ」とみなすことができるプロパンガス。
双方を採用することで、通常時はエネファームで発電した電力に加え、昼間は太陽光発電システムで発電した電力を家庭内で使用することができ、停電時には、家庭用リチウムイオン蓄電池が非常用電源として生活に必要な電力を供給し、雨天でも約10日間の電力と給湯を確保する。
「(仮称)エコンフォート前橋駒形」は、群馬県前橋市駒形町に位置する軽量鉄骨造・地上2 階建て2棟16戸で、総延床面積は935.78㎡。専用面積は52.51~64.46㎡。事業主はサンワ。設計・施工は大和ハウス工業。着工は2023年7月14日、竣工予定は2023年12月6日。全戸「ZEH」仕様、かつ住棟単位で「ZEH-M」の基準を満たし、「BELS」による第三者認証を取得している。