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2023/11/14(火) 16:13

城東エリアも坪単価400万円超へ 駅1分×沿線最大 住友不動産「シティタワー綾瀬」

投稿者:  牧田司

 

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「シティタワー綾瀬」

 住友不動産が先月から分譲を開始した、綾瀬駅前の千代田線沿線のタワーマンションとしては過去最高峰・最大規模の「シティタワー綾瀬」のモデルルームを見学した。販売担当の松尾契佑氏から約1時間、一般のお客さん向けと同様の微に入り細を穿つ説明を受けた。これまでこのような詳細な説明を受けたことはないので、デベロッパーは消費者に何をアピールするか、消費者の関心事は何かを知ることができた。と同時に、説明の課題も見えた。

 物件は、東京メトロ千代田線綾瀬駅から徒歩1分(50m)、足立区綾瀬三丁目の商業地域(建ぺい率80%、容積率500%%=東京都総合設計制度による割増あり)に位置する敷地面積約3,643㎡、32階建て全422戸。現在先着順で販売中の住戸(17戸)は17階以上で、専有面積は58.93~74.18㎡、価格は7,600万円~10,800万円(最多価格帯7,600万円)。坪単価は420~430万円。完成予定は2025年11月中旬。設計・施工は長谷工コーポレーション。

 現地は千代田線綾瀬駅北口から徒歩1分(実際は歩道を渡って50m)。道路を隔てて西側はイトーヨーカ―ドー、東側は東綾瀬公園と一体的な整備が行われる東口駅前交通広場。

 主な基本性能・設備仕様は、都の総合設計制度適用、制震構法、ダブルアウトフレーム、内廊下方式、二重床・二重天井、リビング天井高2650ミリ(最上階は3000ミリ)、ディスポーザー、御影石キッチンカウンター、食洗機、二重サッシ(南向き)、Low-Eガラスなど。共用施設はテレワークラウンジ、ハーティルーム、キッズルーム&ペアレンツスペース、ゲストルーム、フィットネスルームなど。

 モデルルームは間口6250ミリの72㎡の2LDK。デザインは白が基調。

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エントランスホール(天井高は約7.8m)

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モデルルーム

 

 

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 松尾氏の説明で〝なるほど〟と感心したのは千代田線の利便性だ。大手町駅へ21分もさることながら、始発駅なので10分間くらい待てば座れることと、朝7時台~8時台の電車の運行本数は49本(うち始発は16本)で、山手線の36本より多いことだった。

 市場の説明も、これは当然だが怠りなかった。大手町駅を起点とすると、綾瀬は代々木上原、池袋、押上、白金高輪と同じだ。価格相場は読者の皆さんもご存じだろうから省略するが、押上を除けばみんな坪単価は500万円をはるかに突破している。23区でもっともポテンシャルが低かった足立区をはじめ城東エリアは、都心に近いことからいよいよ坪400万円超に突入したということか。松尾氏はまた、足立区は待機児童ゼロで、犯罪率が劇的に減少していることなども話した。

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 松尾氏の説明で足りないと思ったのは、総合設計制度についてだった。これはもっと時間を割いて説明すべきではないか。

 同制度は1970年に創設されたもので、敷地内に一定割合以上の公開空地を設けた建築物の容積率制限や斜線制限、絶対高さ制限を緩和する制度。容積率はおおよそ1.5倍増となる。東京都では、これまで777件の建築物がこの制度により許可されている。

 説明する意義は、都の許可件数は激減しており、他方でこの制度の適用を受けた建築物の資産性と大きな関連があるからだ(同様の特定街区、再開発等促進地区計画、高度利用地区、都市再生特別地区などを活用するケースもあるが)

 平成22年に許可要綱が改正され、許可要件が厳しくなったことにより、以前は年間数十件あった許可件数は、ここ10年間はもっとも多い年で11件にとどまっている。制度の許可を受けた共同住宅も減少しており、令和2年度は7件のうち1件、令和3年度は11件のうち6件、令和4年度は5件のうち4件だ。

 この制度の適用を受けた同社のマンションはデベロッパーのなかでトップクラスのはずで、記者なら調べてきちんと説明する。

 もう一つ、関連することだが、この物件は断熱性、省エネ性、再エネ設備・電気、維持管理・劣化対策、みどりの5項目を☆の数(最大で15個)で評価する東京都の「マンション環境性能表示」制度の適用を受けているはずだが、現段階で都の一覧表リストには掲載されていない。他の一般的なマンションより☆の数は多いはずだが…。

 天井高ももっとアピールすべきではないか。いま供給されている首都圏マンションのうち天井高2650ミリ以上は2割あるかどうかではないか(以前は4割くらいあったが)。タオル掛けが1本ついていたのには安どした。

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 以下は蛇足。モデルルームは北千住駅の近く。取材を終え昼食をとった。牛ホルモン盛り合わせと冷やしトマト、ランチビール2杯で〆て1,474円。安い!コンロの炭は本物で、後の祭りだったが〝火に氷〟の威力も知った。〝住むなら北千住〟だ。

 牛ホルモンは、記者の故郷・三重県の松阪市が本場なので小さいころからよく食べたが、大人になっても自分で焼くようなことはしてこなかったので焼き方が分からず、一度に肉をコンロに架けた。すると、だしぬけに火の手が上がり、慌てて肉片を皿に取ったら、表は真黒、裏は生焼け。

 残りの2片は手遅れ。焦げ付いてはがすことができず、肉が炭化するのを茫然と眺めた。隣の記者より体重が2倍ありそうな、腕時計が肉に食い込んでいた女性が山盛りのどんぶり飯で煙など立てずに上手に肉を焼いていたのに、全然助けてくれなかった。

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北千住の飲食型

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北千住の飲食街

 

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