大和ハウス工業は3月1日、物流「2024 年問題」への取り組みと「業界動向勉強会<物流施設事業篇>」をテーマにした業界動向勉強会を開催。同社執行役員東京本店長建築事業本部営業統括部長・更科雅俊氏が同社の物流事業の24年問題の取り組みを説明し、ゲストのHacobu取締役COO・坂田優氏は物流業界の現状と今後の方向性などについて話した。
更科氏は、2007年に事業参入してから物流施設(Dプロジェクト)の開発実績は海外を含み384棟、開発延床面積約1,335haを開発。投資計画も「第7次中期経営計画(2022年4月~2027年3月)」での計画投資額約1兆1,660億円に対し、2年間で約半分のペースで堅調に投資を行っていると説明。2024年度(86期)竣工予定物件は20件で、①災害対策➁ダイバーシティ➂環境配慮➃地域交流-に力を入れていると話した。
2024年4月から施行される年960時間の時間外労働規制に対しては、フレームワークス、アッカ・インターナショナル、Hacobuなどとの連携を強化し、ドライバーの時間外労働の上限規制・割増賃金の引き上げ・作業員の絶対数不足に取り組んでいくとした。
坂田氏は、わが国の企業間物流が買換えているアナログ体質を紹介し、法律改正により事業者に対する荷待ちへの罰則を設けるなど、政策への対応、デジタル技術の活用が求められると話した。
同社が展開するMOVE Berth利用事業者は約4年間で2,715か所から15,855か所へ約6倍、利用ドライバー数は117寝518人から546,300人へ約5倍増加したと報告。①どのような荷物が②どこからどこへ③どのような手段で運ばれているかの情報を蓄積し、活用することが重要と語った。
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大手ハスウメーカーやデベロッパーが24年問題に対応しているであろうことは容易に想像できる。しかし、今回の勉強会では、坂田氏も指摘したように、何年も前から指摘されているアナログ体質が物流業界では解消されていないことがクローズアップされた。29兆円にも達する企業間物流が電話やファックスが中心というのは信じられない。約3兆円の宅配便の再配達の課題は解消されつつあるではないか。
ほんの一握りの大手企業の取り組みが末端まで浸透させるためには何が欠けているのかを知りたかったが、勉強会では分からなかった。
課題山積アナログの物流業界荷待ち・再配達は有料化すべきだが…大和ハウス勉強会(2024/3/2)