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2024/04/01(月) 11:07

入社式挨拶 いま最も求められるのは「妄想、構想、実現」 三井不動産・植田俊社長

投稿者:  牧田司

入社おめでとうございます。皆さんを心から歓迎します。本日、皆さんが社会人として第一歩を踏み出されるにあたり、私からお話をさせていただきます。

三井不動産グループは創立以来、時代の変化をチャンスと捉え、多くの挑戦を続けてきました。埋め立て事業、日本初の超高層ビル「霞が関ビル」をはじめとするオフィスビル事業、住宅事業、商業施設事業、物流施設事業、東京ドームをはじめとするスポーツ・エンターテインメント事業など、常に新たな価値創造を推進してきました。そして、ミッドタウンや日本橋に代表されるようにそれらを統合したミクストユースの街づくりを進め、より豊かな暮らしを提供、人々のクオリティ・オブ・ライフを高めてきました。

さらに、ビジネスの舞台はグローバルに広がり、業容は大きく拡大、人材のダイバーシティも進み、企業として大きく成長したと感じています。このような中で、私たちは様々な価値創造を進めてきましたが、今や、「不動産デベロッパー」の枠を超え、ハードな建物だけでなく、街づくりを通じた「場」や「コミュニティ」、ソフトサービスの提供を通じてそこに集う人々や企業がイノベーションを起こすお手伝いをする「産業デベロッパー」というプラットフォーマーへと進化を遂げました。

ところで、今から46億年前に地球が誕生しましたが、その長い地球の歴史の中で、約5億年前にカンブリア紀という時代がありました。カンブリア紀には、遺伝子の爆発的変容というパラダイム転換が起き、多数の生物が誕生しましたが、この時代の勝者は最強の捕食者ではなく、弱々しいナメクジウオの祖先であるピカイアという生き物でした。ピカイアは脊索動物である私たち人類の祖先と言われていますが、環境の変化に対応できたもの、つまり、「適者生存」したものだけが、生き延びたことが分かっています。

皆さんも各種報道で日本の「失われた30年」という言葉を目にされていると思います。30年前のスタートは当然皆さんが生まれる前です。デフレの時代では、付加価値が評価されず、報われず、心が委縮してイノベーションが起きづらい時代でした。

また、日本にとって今年は「失われた30年」に遂にピリオドを打てるか、勝負の年だと思います。コスト上昇を原因とするプッシュから始まった物価上昇を、各企業が賃金上昇や適正な商品価格の上昇という好循環に繋げることができれば、ついに日本もデフレから脱却できる、大きなパラダイム転換のチャンスに来ています。デフレから脱却できれば、付加価値は正当に評価され、イノベーションが促進される、まさに付加価値を競い合うビジネスのカンブリア紀に突入することになります。これは、今までも付加価値創出に貢献し、差別化を目指してきた当社にとっては大きなフォローウインドです。

このような、変化が激しく、不確実性が増す時代に、最も大切なことは「顧客志向」だと、私は考えています。前例踏襲やマニュアルに従うだけでは環境変化や多様化する顧客ニーズには対応できず、突き抜けた発想で付加価値を創出しなければ、激しい競争に打ち勝つことはできません。

だからこそ、「妄想、構想、実現」、これが今、最も求められていることだと思います。 突拍子もない「妄想」でも、そこに大義があれば仲間が集まって「構想」になり、「実現」につながっていく。本気でイノベーションを起こし、圧倒的な「付加価値」を創出し、産業競争力を高めることが求められています。皆さんの若くてフレッシュな「妄想」が、新しいビジネスの芽を育てて「構想」となり、「実現」されていくことを期待しています。

もし、失敗したとしても、ベストを尽くした結果が失敗であるならば、それは皆さんの将来にとって必ず大きな財産となるでしょう。

なお、本日付で、当社グループは、新たな経営理念を策定し、この中で私たちに受け継がれているDNAを改めて見つめ直し、グループDNAを策定しました。「共生・共存・共創」により新たな価値を作り出すための挑戦を続ける、これが私たちのグループDNAです。また、今回私たちの企業ロゴである&マークも新たにしました。この&マークは「あれかこれか」の二者択一でなく、「あれもこれも」を取り込む柔軟な姿勢を表しています。更に、今月11日には当社グループの新たな長期経営方針を公表予定です。

目下、業績は大変好調に推移していますが、今の立ち位置に安住していては、生き残ることはできません。

我々を取り巻く環境がダイナミックに変化するなか、我々はイノベーションを通じて新たな価値創造に貢献し、社会・経済におけるリーダーシップを高めながら持続的に成長していくことを目指します。この挑戦に果敢に立ち向かい、次なる一歩を共に踏み出しましょう。

最後に、あらためて三井不動産グループの事業は、社会的意義が大きく、人々に夢と感動を与えられる産業だ、と私は心から信じています。そして三井不動産は、仕事を通じた自己実現によって、日本全体、ひいては世界全体のイノベーションに大きな影響を与えることのできる会社だと信じています。高い志を持って自己実現を目指す者にとっては、最高のステージとなるでしょう。

三井不動産グループが、さらに魅力あふれる企業グループであり続け、また今後もたくましく成長していけるよう、共に頑張りましょう。

 

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