フージャースコーポレーションと大京が5月下旬に販売開始する「デュオヒルズ青梅ザ・ファースト」を見学した。青梅駅から徒歩1分の商・住・公の再開発マンションで、同駅圏では13年ぶりの供給。多摩川へも徒歩10分。価格はリーズナブルなもので、地元居住者を中心に人気を呼ぶ可能性が高いと見た。
物件は、JR青梅線青梅駅から徒歩1分、青梅市本町の商業地域(建ぺい率80%、容積率500%)に位置する14階建て全112戸(うち権利者住戸2戸)。専有面積は51.37~84.10㎡、価格は未定だが坪単価は210~220万円になる模様。竣工予定は2026年2月下旬。設計・監理は南條設計室一級建築士事務所。施工はイチケン。販売開始は5月下旬の予定。エントリー数は地元を中心にこれまで500件超。
現地は、駅前の四方道路に囲まれた「青梅駅前地区第一種市街地再開発事業」地に位置。建物の1階は商業施設(11区画)、2階は公益施設(図書館の予定)。3階以上が住居で、標準階の住居は南向きが5戸(角住戸含む)、東向きが5戸(同)。
主な基本性能・設備仕様は、二重床・二重天井、リビング天井高2500ミリ(一部2450ミリ)、Arauラック(一部除く)、浴室タオル掛け2か所など。
同社管理本部企画総務部担当部長・友野珠江氏は「1月からのエントリー数は500件を突破しています。資材価格の上昇が続いていますが、商品企画には力を入れており、地元子育て世代からの強い『愛』を感じています」と語った。
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河辺駅に設けられているモデルルーム見学を済ませ、青梅駅に降り立った。現地から10数分かけて多摩川・釜の淵公園にたどり着いた。30年ぶりくらいだが、静かで美しい多摩川の景色が鮮やかによみがえった。水量は減ったように感じたが、霞がかかった新緑が視界いっぱいに広がった。風もなく、岩と戯れる水音とホトトギスのさえずりのほかに聞こえるものは一つもなかった。コンビニで買ったビールを飲みながら自然としばし会話した。
釜の淵公園には「亀の井ホテル」(旧かんぽの宿)が隣接している。レストラン、カフェは営業していなかったので、売店で澤乃井の大吟醸と梅のつまみを買ってテラスで飲んだ。♪時は私にめまいだけを残してゆく だからワイングラスの角氷 眠りにつこうとする愛に ささやかないで♪-時間がたつのを忘れた。
肝心のマンションについて。外観デザインがいい。基壇部には伝統工芸の「青梅縞」の藍色をモチーフにしたオリジナルタイルとガラスが採用されている。モデルルームに充てられている南東角住戸(84㎡)は立川だったら億ションになるはずだが、6,000万円台に収まるはずだ。同社オリジナルのArauラック付きの洗面室の提案やお布団クローゼット、ソフトクローズ機能付きの外付け引き戸もよくできている。東向きの51㎡のプランは間口が8620ミリ。廊下スペースを少なくし、機能的にできている。
青梅線沿線では大和ハウス工業「プレミスト昭島 モリパークレジデンス」(481戸)が人気になっているが、この物件とはまた別の魅力がある。「時の流れに身をまかせ」という歌があったではないか。