旭化成グループの2024年3月決算は、売上高2兆7,849億円(前期比2.1%増)、営業利益1,407億円(同10.2%増)となり、セグメント別では「住宅」(旭化成ホームズグループ+旭化成建材)の売上高は9,544億円(同6.2%増)、営業利益は830億円(同10.0%増)となり、旭化成全体の売上高の3分の1(34%)、営業利益の2分の1超(59%)を占めた。「住宅」の2024年度売上高予想は1兆円、営業利益900億円を見込む。
旭化成ホームズグループは、売上高9,129億円(前期比6.2%増)、営業利益795億円(同7.6%増)で、双方とも3年連続過去最高を更新。セグメント別では建築請負部門は減収減益となったが、不動産部門、リフォーム部門、海外事業部門が増収増益となった。2025年3月期は売上高9,600億円(前期比5.2%増)、営業利益860億円(同8.1%増)を予想。
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旭化成ホームズは5月10日、木造戸建て住宅の新ブランド「Asu-haus(アスハウス)」を立ち上げ、同日から販売を開始したと発表。6月1日には宿泊体験が可能なモデルハウスを東京都日野市にオープンする。
「Asu-haus(アスハウス)」は、木造軸組工法(平屋~2階)の切妻屋根で、断熱等級7(Ua値0.26W/㎡・K以下)、耐震等級3、耐風等級2。坪単価は135万円から。家庭用エアコン1台稼働で快適性が保たれる全館空調を採用。販売棟数は2024年度16棟、2025年度25棟を上限とする限定販売。販売エリアは東京都城南・城西地区、都下の一部。展示場は東京都日野市多摩モノレール甲州街道駅圏(公式サイト:https://www.asahi-kasei.co.jp/asu/index.html/)
同社・川畑文俊社長は「2年前から『ニセコミライ』を通じて木造建築のノウハウを学んできた。別部隊を立ち上げてトライアルする。(住宅の木質化は)時代の流れ。どのように評価されるか結果を待って本格参入するかどうかを決める」と語った。
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旭化成ホームズグループの2024年3月期決算は、戸建て・集合住宅の大型化・高付加価値化が奏功し、不動産部門やリフォーム、海外事業が伸びた。
戸建て・集合住宅の大型化・高付加価値化1000尺は、ここ数年の取り組みから予想できたことだ。2020年に発売された富裕層向けの「RAUMFREX(ラウムフレックス)」に驚愕したが、2023年4月発売の「RATIUS|GR(ラティウス ジーアール)」も順調に受注を伸ばしたようだ。分譲マンションも利益率が高い都心部へシフトしている。
今回の木造注文住宅へのチャレンジ・トライアルも全然驚かない。2年間で41棟の受注目標は、1か月で1.7棟だ。戸建て住宅と「木造」は極めて親和性が高い。多分、大楽勝だろう。(モデルハウスをメディアに公開するというから、しっかり商品企画をチェックしたい)
同社は2022年4月に発表した中期経営計画「2030年のあるべきVision for 2030」で、新ビジネスの仕込みを打ち出した。当時の事業ポートフォリオは、売上高7,865億円(2024年度は9,600億円)のうち「建築請負部門」が51.3%(2024年度は43.5%)、「不動産部門」が23.2%(同23.3%)、リフォーム部門が6.7%(同6.3%)、「海外事業部門」が18.6%(同26.5%)だ。海外事業は大幅に伸びてはいるが、「その他」の部門はほとんどゼロに近い。
木造戸建て事業が「その他」になるかどうかはわからないが、参入障壁はゼロに近く、「へーベル」と「アトラス」のブランド力をもってすれば目標達成は容易なはずだ。