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2024/05/16(木) 13:16

〝わが国のイーロン・マスク育てよう〟B2B特化型エクイティ型プログラム 三菱地所

投稿者:  牧田司

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同社の丸の内スタートアップエコシステム概念図 

 三菱地所は5月14日、世界有数のアクセラレーターである米国シリコンバレーをベースとするAlchemist Accelerator LLCとのパートナーシップのもと、日本におけるスタートアップを対象としたアクセラレーションプログラム「Alchemist Japan」を今秋開催すると発表した。B2B(BtoB)分野特化型のエクイティ型(出資を伴う)プログラムとしてはアジア初上陸となる。

 Alchemistは、B2B分野に特化したシードステージのスタートアップを支援するアクセラレーターで、650社以上の企業に投資し、60社以上のEXIT企業(M&AやIPOによる出口を迎えた企業)を輩出。優れた技術や世界を変えようとする志を持つスタートアップを対象としている。

 三菱地所は、スタートアップ・エコシステムの形成に向け、丸の内エリアにおいて成長企業やイノベーションを生み出す拠点やイノベーションの創出を支援するプラットフォームを運営、新しい事業を生み育てるエコシステムに必要な多様なプレイヤーを巻き込みながら活動を展開しており、Alchemistの誘致を通じて一層のスタートアップ・エコシステム強化を図る。

 また、内閣府の「世界に伍するスタートアップ・エコシステム拠点形成戦略」や、東京都の「Global Innovation with STARTUPS」には海外VC・アクセラレーターの誘致がうたわれており、JETROが内閣府・経済産業省・東京都の協力のもと誘致を推進している。

 「Alchemist Japan」第1回プログラムは、東京・大手町にあるビジネス支援施設「Global Business Hub Tokyo」で実施されるもので、ファンドからの投資、コーチング、メンタリング、レクチャー、および国内外のファウンダーネットワークへのアクセスが可能で、日本・シリコンバレーのベストマッチングを目指し、両地域のメンター、講師、事業者がスタートアップをサポートする。さらに、グローバルでの活躍可能性があるスタートアップのためのプログラムとして設計されており、準備が整い次第、自動的にサンフランシスコで開催される6カ月のプログラムへ参加可能となる。

 募集開始は2024年6月1日(土)、締め切りは7月15日(月)。募集対象は日本発で世界をめざす日系スタートアップならびに世界各国のスタートアップ。募集者数は9~12社。出資額はAlchemist Accelerator Fund から1社あたり約100,000US ドル(予定)。プログラム期間は2024年9月から約3か月間(予定)。

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記者会見(大手町フィナンシャルシティ グランキューブで)

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協業各者

◇        ◆     ◇

 記者は、すごいことが始まりそうだと胸ワクワク、押っ取り刀で駆けつけたのだが、会見場に現れた記者は10人いたかどうか。肩透かしを食らった。登壇したのは、三菱地所イノベーション施設運営部長・島田映子氏、日本貿易振興機構(ジェトロ)イノベーション部次長・樽谷範哉氏、Alchemist Accelerator創業者・CEOのRavi Belani氏、Managing Director for Alchemist Japanの眞鍋亮子氏。

 4氏が話した中身はちんぷんかんぷん、さっぱりわからなかったが、Ravi Belani氏の英語は同時通訳で日本語に訳されたので、皆さんが何を言わんとしたかはほぼ完ぺきに理解した。わが国が世界の潮流に掉さすこともできず、よどみに浮かぶ病葉であるかを4氏は話した。B2B(BtoB)は圧倒的に遅れており、世界には通用しないこと、Alchemist Acceleratorが提供するプログラムは、わが国から世界に羽ばたこうとするスタートアップを資金面で援助し、わが国の「イーロン・マスク」を生み出そうというものだ。

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島田氏(左)と樽谷氏

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Ravi Belani氏(左)と眞鍋氏

◇        ◆     ◇

 わが国経済社会はバブル崩壊をきっかけに転落した。「平成元年、日本経済は“山”の頂上にいた。当時の世界時価総額ランキング上位50社中、日本企業が32社を占めていた」(ダイヤモンド社)のに、今はトヨタ自動車1社のみだ。世界経済はすべてGAFAに支配されているといわれている。一方で、「ガラパゴス」としてわが国と国民は世界から嘲笑されている。

 記者はそのことを20年近く前に身をもって思い知らされた。RBA野球大会の取材で中国に行った。北京大学と清華大学それぞれの付属小学校でわが国のRBA野球選手が小学4年生に野球を教えるプログラムがあった。記者は、つけ刃で覚えた中国語で生徒に語り掛けた。

 生徒から何と答えが返ってきたか。「Do you not speak english」-全身から冷や汗が噴出した。負けたと思った。子どもたちは英語がペラペラだった。数年後の2010年、GDPは中国に抜かれた。いまはドイツにも追い越され、インドにも抜かれるのは必至という。

 GDPだけが国力を測るモノサシだとは思わないが、世界に羽ばたけないのは、大陸に小エビのように反り返ってへばりつくわが国の地政学的な問題と、だからこそ生き残れたかもしれないガラパゴス=日本語だと思う。母語を大切にし、同時に英語、または中国語を日常的に話せるような教育が欠かせないと思う。

 しかし、その一方で英語をすんなりと受け入れられない別の小生がいる。中学1年の最初の英語の授業だ。昭和24年生まれの小生はそのころ、ヒロシマ・ナガサキ・オキナワ・パンパンを知っていた。少し勉強ができたのか級長に祭り上げられた小生にに向かって英語の先生は「Stand up!」とだしぬけに命令した。わが国とわがクラスが馬鹿にされたように感じ、起立を拒否した。先生は激怒した。それ以来、英語=アメリカが嫌いになった。同時に、英語・アメリカコンプレックスから抜け出せなくなった。コカ・コーラの誘惑には負けたが、いまでもハンバーガーやフライドチキンはほとんど食べない。

 4氏に聞きたい。「コケコッコー」はどうして「cock-a-doodle-doo」なのか、「光陰矢の如し」はどうして「time flies like an arrow」なのか。英語の擬音語は理解できないし、美しい大和言葉はどこの外国語に変換はできないと思う。タイ語はいいですよ。「こんにちは」は「触っていいか(サワッディー・カー)」です。その通り話したらタイの大学の学長からハグされた。

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