不動産流通経営協会(FRK)は5月30日、定時総会後に懇親会を開催、太田陽一理事長(東急リバブル社長)は次のようにあいさつした。
理事長の太田でございます。第55回定時総会が無事開催されましたことをご報告申し上げます。
さて、足下の不動産流通市場は、令和5年度の首都圏の既存住宅市場について東日本レインズのデータでは、令和4年度に比べて中古マンション・中古戸建ともに成約件数が増加し、成約価格も上昇するなど、引き続き順調に推移しております。
不動産業におきましては、少子化、高齢化の進行に伴う空き家の増加、脱炭素への取り組みなど多くの課題が山積しております。これからの若い世代が持っている多様な価値観をしっかりとらえて、画一的ではないサービスの提供に努めるべきと考えます。
FRKでは、税制改正要望として、各種特例における最低床面積要件の緩和を求めております。これは、様々な価値観を持つ人が、多様な選択肢の中で、床面積にかかわらず、住宅取得の機会が与えられるべきという考えに基づいています。二拠点居住や多拠点居住についても、使える人には複数の住宅を使っていただくことで、空き家問題解決の一助にもなるのではないでしょうか。
今年度も「政策提言」と、その基となる「調査研究」、そして適時・適確な「情報発信」
を重点に取り組みを進めてまいりたいと思います。
また、不動産IDの活用など、デジタル社会における共通インフラを活用し、新たな不動産流通制度・システムの構築にも貢献して参りたいと考えております。
不動産流通市場において、売主と買主の間に仲介が入る、人を介することで取引を順調に進めるシステムは、先人から引き継がれた知恵であります。消費者の皆様から信頼され、高く評価されるよう、その担い手となる従事者への教育研修には、これまで以上に注力して参りたいと考えております。
今後とも、関係団体の皆様と連携しつつ、会員相互の結束のもと、協会活動の一層の充実を図り、不動産流通業の発展に寄与して参る所存であります。