表参道と明治通りが交差する神宮前交差点にある「東急プラザ原宿『ハラカド』」を見て回った。東急不動産と東京地下鉄が共同で開発を進めてきた75の物販・飲食店舗からなる施設で、2024年4月17日(水)にオープン。7階の屋上テラスをはじめ4階フロアの「みどり」はすべて本物で、その圧倒的な量に感動し、わが国と思えない無国籍・多国籍の人の集まりを想定した店舗構成になるほどと思った。小生のような日本人年寄りはほとんどいなかった。平日にも拘わらず多くの人で賑わっていた。
施設は、感度の高いヒト・モノ・コトと「出会う」「つながる」「体験する」「楽しむ」を掛け合わせることで、新たな原宿カルチャーの創造・体験の場を実現するのがテーマだそうで、対面にある「東急プラザ表参道『オモカド』」とともに原宿の名物になるのは間違いない。
訪れたのは6月3日の午後2時過ぎ。何か食べようと5階に上った。そのものずばりの「FAMiRES」や「居酒屋スタンド ジャンプ」「一風堂」「TOKYO MEAT 酒場」「紫金飯店」「原宿牡蠣屋 Tokyo Seafood」「da pai dang 105」「まぐろ問屋 恵み」「カンブチキン」「トーキングゴリラ」「PRETTY PORK FACTORY & KATSU プリポー」など、路地裏の屋台を1フロアに収めたような造りにしばし呆然。一番なじみやすい昭和レトロの居酒屋に入り、ビール2杯とアジフライを注文した。〆て2,000円少し。小生が最近ほれ込んでいる日高屋のメニューの倍の料金だ。〝ここは原宿〟と自分を納得させるほかなかった。
周囲を見渡した。小生のような日本人年寄りはほとんど皆無。アジア系と思われる外国人が多数派を占め、ファッションショーから抜け出してきたような長身でスタイル抜群の若い人には口をあんぐり。遮るものがない通路を眺めながら酒を飲めるのもまたいい。
7階の屋上テラスの豊富な樹木にも圧倒された。写真を撮ったり、ベンチで寝そべったり食事をしたりする人の姿が目立った。これまたあまり見ない光景だ。
4階の約312坪のフロア全体を「ハラッパ」に見立てた企画もまたいい。各方面のクリエイターが演出を担当しており、国籍・性別・年齢に関わらず皆がボーダレスに体験できるインスタレーション、コンテンツはもとより、配置されている観葉植物はすべて本物なのに、「フェイクをやめよ」と主張してきた記者はとてもうれしくなった。
これは不確実なので断定はできないが、東急不動産ホールディングスグループはもう10数年前から新卒採用基準を平均点主義から特技、長所などを重視する方針に変更しているはずだ。若い社員が「オモカド」や「ハラカド」の商品企画に加わっているからこそ、斬新なアイデアが生まれるのではないかと記者は考えている。