マンション管理業協会(理事長:高松茂・三井不動産レジデンシャルサービス会長)は6月11日、第一ホテル東京での定時総会後に懇親会を開き、副理事長に問田和宏氏(野村不動産パートナーズ代表取締役社長兼社長執行役員)と、世古洋介氏(三井不動産レジデンシャルサービス代表取締役社長兼社長執行役員)がそれぞれ新任したと報告した。高松理事長のあいさつは次の通り。
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マンション管理業協会理事長の高松でございます。本日は、公務お忙しい中、斉藤国土交通大臣はじめ、多くの国会議員の皆様、国土交通省の皆様、関係者の方々にご出席を賜り、心より厚く御礼を申し上げます。
最初に、本日開催されました第45回定時総会において、各議案が承認され、つつがなく終了いたしましたこと、ここに報告いたします。また、引き続き開催されました理事会におきまして、2名の副理事長が選任され、わたくし高松が理事長に再任されました。引き続きよろしくお願いいたします。副理事長につきましては、後ほどご紹介いたします。
本日は、ご挨拶として、マンション管理業協会の取組等についてご案内したいと思います。先ず、マンションを取り巻く現状です。
皆様もご承知の通り、マンションは国民の約1割が居住し、永住意識も高まっている重要な居住形態である一方、建物と居住者の「2つの老い」という問題が久しくクローズアップされています。
こういった課題に対応すべく、弊会は様々な施策を推進しております。本日は、そのうちの2点、マンション管理適正評価制度と政策提言・要望活動等について、少し詳しくご案内させていただきたいと思います。
先ずは、政策提言、要望活動等についてでございます。幣会では、毎年、国土交通大臣宛てに「マンション管理の現場に則した政策提言等」を行っておりますが、本年度もその一つとして「マンション長寿命化促進税制」の期間延長と適用要件の緩和を要望していこうと考えております。
令和5年度から適用されているこの制度は、マンションの長寿命化を促進していく上で、極めて重要な支援策でありますが、是非とも、より使い勝手の良い税制に緩和していただきたく要望するものです。
この税制における減税措置の概要は、対象マンションの築年数や管理計画認定取得の有無、過去に行った大規模修繕工事の実施時期等の様々な要件を満たすことが求められており、この適用期限が令和7年3月末までと限られております。
ところが、長寿命化を図るべきマンションは、まだまだあります。是非とも延長をお願いしたいと思います。
マンション管理適正評価制度についてご案内させていただきます。マンション管理適正評価制度は、弊会において令和4年度にスタートさせた制度です。
管理状態を5つのカテゴリーに分類してソフト面とハード面両面から、30項目について評価し、その結果をサイト上で公表する制度であるということについては、これまでも繰り返しご案内しているところです。
この制度のメリットですが、大きく5つの流れがあります。
評価制度に登録することで、管理の状態を把握して様々な課題等が明確になり、早期に対策・予防することで良好な管理状態を維持継続することにつながります。
そして、この制度に登録しますと、ご覧いただいているように協会ホームページの専用サイトに掲載されまして、マンション購入を検討されている方を始めとして誰でもが閲覧することができるものです。
更に、この制度は不動産仲介のポータルサイトと連携しておりますので、購入検討者への情報開示が行われ、また、一部金融機関における金利優遇等もあることで、マンションの市場価値向上に繋がることとなります。
横浜市立大学の齋藤広子先生の研究で、「管理水準の高いマンションは価格が高い」という分析結果が、公開シンポジウムで披露されておりますので、ご紹介させていただきます。
星3つ以上の場合は、評価を取得していない物件と比べて価格が高い、更に星5つのマンションですと11%の価格プレミアが生じていることが確認できたというものです。
この制度には、本日現在で4,535件の登録をいただいております。わたくしどもとしましては、次なる登録目標として、協会会員社が受託している管理組合数が約10万管理組合、その約1割である「1万件」を掲げております。 「マンションは管理を買え」、そのために弊会は「管理の見える化」に取り組んで参ります。
マンション管理を巡る課題は多岐に亘るものがあります。幣会では、これら様々な課題について各委員会で議論を進めて参ります。
幣会は、これからもマンション管理を巡る諸課題に精力的に取り組み、良好な社会資産としてのマンションストックの形成に寄与していきたいと考えております。
本日ご臨席の皆様からの引き続きの深いご理解、ご協力を心からお願い申し上げまして、本日のあいさつとさせていただきます。