東急不動産をはじめとする小田急不動産、名鉄都市開発、総合地所、旭化成不動産レジデンス、ジェイアール東海不動産の6社は6月27日、リニア中央新幹線の新駅(神奈川県駅[仮称])に近接する分譲マンション「ブランズタワー橋本」のモデルルームを6月22 日(土)にオープンしたと発表した。この日はメディア向け見学会も行われたようで、価格は70㎡で7,000万円台~8,000万円台で、坪単価は400万円を超える模様だ。
物件は、京王相模原線・JR横浜線橋本駅から徒歩4分、相模原市緑区橋本二丁目の商業地域に位置する敷地面積約10,472㎡、29階建て全458戸。専有面積は34.39~119.23㎡。竣工予定は2026年6月。販売代理は長谷工アーベスト。設計・施工・監理は長谷工コーポレーション。デザイン監修はケミカルデザイン。
1階に医療モール、2階にロングテーブル、パーソナルスペース、リモートワーク対応可能な個室ブース、コワーキング・ラウンジ、コミュニティ・ハウス、2室のゲストルームを設置する。28階のスカイラウンジには「文喫 六本木」によるライブラリー&カフェバー、約400冊の選書と食事と酒を含むドリンクメニューを用意する。このほか、ヤナセとの業務提携による輸入車EVカーシェア、モンベルの商品を導入した防災備品、住民同士のコミュニティ醸成サービスの「GOKINJO」、パナソニックの地域情報コミュニケーションサービス「まちベル」、多摩美術大学との産学連携によるワークショップなど、東急不動産初の様々なサービスの導入を予定している。
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記者は見学会に呼ばれていないので設備仕様レベルはよくわからないが、プレス・リリースや業界紙の記事を読んだ限りでは〝環境先進マンション〟の名に恥じないものだと思う。標準階のリビング天井高は2500ミリ、29階のプレミアム住戸(12戸)は3000ミリ。
問題は価格だ。リニア中央新幹線の開業が当初予定の2027年だったら、記者は坪単価450万円でも売れるとみていた。地元橋本駅圏の実需はもちろん、沿線の東京都、山梨県、長野県、愛知県からの需要が見込める。自ら居住ではなくとも、子どもに住まわせようと考える人も多いはずだ。品川は坪2,000万円を突破するはずだから、坪450万円はかなり安い。
ところが、開業は白紙に戻され、早くても現在から10年後の2034年という。10年後に市場がどうなっているか全く読めない。金が有り余っている投資をもくろむ人は買うかもしれないが、投資案件は他にもある。開業時点で考えても間にあう。10年先を読んで不動産投資を考える人はどれくらいいるのだろうか。多分、そんなにいないはずだ。
リニアを考えなければ、橋本駅圏のマンション相場としては坪300万円台の半ばがアッパーだろう。京王線は他の沿線に比較してかなり割負けしている。今秋に分譲される小田急不動産の「リーフィアレジデンス調布小島町」(50戸)は坪単価450万円と予想しているのだが、どうだろう。
競合はしないだろうが、単価が近い物件として野村不動産「プラウドタワー相模大野クロス」(687戸)がある。
立地、性能、地域共生など評価される野村不「相模大野クロス」坪単価400万円超か(2023/10/31)