飯田グループホールディングス一建設が分譲中の戸建て「リーブルガーデンズ練馬区大泉町2丁目」を見学した。駅からバス8分徒歩9分の全5棟現場で、敷地には7本の中高木が植えられており、設備はほとんど同社グループによる自前製品だったのに驚愕した。
物件は、西武池袋線大泉学園駅バス8分、バス停徒歩9分、練馬区大泉町2丁目の第一種低層住居専用地域(建ぺい率50%、容積率100%)に位置する全5棟(うち2棟は成約済み)。分譲中の3棟の土地面積は101.81~119.89㎡、建物面積は90.91~106.11㎡、価格は5,080万円・5,380万円・5,780万円。建物は一棟を除き完成済み。販売開始は5月。
現地は、練馬区景観条例による景観まちづくり地区に指定されており、道路沿いのみどりを育むみどりが映える色彩とする、緑豊かな外観となるようみどりを増やし、心地よいまちなみをつくるなどの条件を満たすため敷地内に中木のハイノキ、高木のエゴノキの合計7本が植えられているのが特徴。
基本性能・設備仕様は、住宅性能表示制度5分野7項目最高等級取得(耐震等級3、劣化対策等級3、維持管理対策等級3、一次エネルギー消費量等級6など)、Low-Eガラス、食洗機、天井高2400ミリ、オリジナルキッチン・洗面・その他設備など。
主な生活利便施設は、練馬区立大泉第一小学校へ800m、練馬区立八坂中学校へ1500m、北大泉保育園へ600mなど。
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記者は、飯田グループHD創業社長の故・飯田一男氏(2013年12月死去、享年75歳)が飯田建設工業社長として采配を揮っていたころ、〝記事にしない〟のを条件に毎年1~2度、インタビューしていた。約束の時間に現れることはまずなく、1時間以上待たされることもしばしばあった。そればかりか、「本音で話してやるのだから(新聞)購読料をただにしろ」とまで言い放った。カッとなったが、情報を得るのが目的だから、ぐっとこらえて話を聞いた。飯田氏は話し出すと止まらず、1時間も2時間も話した。いつも強気で通したが、リーマン・ショック後はさすがに弱音を吐いた。倒産も覚悟したようだった。ところが、メインバンクが商工中金からみずほ銀行に移ってから不死鳥のように蘇った。ホールディングス体制に移行したときは、自宅まで押しかけコメントを得ようとしたが、玄関払いされた。
飯田氏が死去してから10年余。同社グループの分譲戸建てを見学するのも実に十数年ぶりだった。取材をセットしていただいた一建設広報担当者にまずお礼申し上げる。
物件の良否はさておく。判断するのは記者でない。消費者だ。驚いたのは、梁や柱に使われている木材(プレカット材)はファーストウッド、床材はオリエント、キッチンはファーストプラス、窓はIGウインドウズなどほとんどすべての構造躯体・設備が飯田グルーフHD自前で調達していることだった。異なるのは食洗機は三菱電機、浴槽・便器はTOTO、玄関ドアはリクシル製くらいだった。圧倒的な価格の安さでシェアを拡大してきたのは、この自前による資材・設備の調達にあるのではないか。
驚いたのは他にもあった。同社グループの最近の戸建ては〝ぺんぺん草〟も生えないものばかりだと思っていたが、この現場には〝5本の樹〟計画を上回る、中木のハイノキ、高木のエゴノキの合計7本(いずれも幼木だったが)か植えられていたことだ。同社の現場監督担当者によると、これは練馬区の景観条例による指導によるもので、同社が自主的に植えたものではないということだった。
同社は8月1日、多分、創業以来初めてとなる記者発表会を行い、長期優良住宅制度に適用させる戸建て分譲にシフトすることを発表する。