横浜市の老舗建設会社・松尾工務店の本社社屋に隣接する自社施工・売主マンション「シェフルール横濱鶴見」を見学した。基本性能・設備仕様レベルは極めて高く、坪単価は〝超割安〟の340~350万円。モデルルーム来場者は〝待ってました〟という人が多く、仕様レベルの高さに驚いているという。早期完売は必至だ。
物件は、JR鶴見駅から徒歩6分(京急鶴見駅から徒歩4分)、横浜市鶴見区鶴見中央4丁目の商業地域(許容建ぺい率100%、容積率600%)に位置する13階建て全109戸(うち非分譲住戸22戸)。9月下旬に分譲開始する第1期(戸数未定)の専有面積は50.29~89.05㎡、予定価格は5,100万円台〜10,000万円台、坪単価は340~350万円になる模様。竣工予定は2026年2月下旬。設計・監理は松尾工務店、S&Tファイブステージ設計事務所、施工は松尾工務店。販売代理は伊藤忠ハウジング。
現地は、同社本社社屋に隣接し、敷地は北西側の第一京浜と、北東側の東口中央通り、南東側の市道にそれぞれ接道。主な基本性能は逆梁、ZEH-M Oriented認定、BELS5つ星評価、多面採光、二重床・二重天井、リビング天井高2480ミリ、サッシ高2350ミリ、ワイドスパン(10スパンのうち50㎡台の2スパンを除く8スパンが7m超)、ディスポーザー、食洗機、フィオレストーンキッチン天板、ユーティリティシンク、二重サッシ(一部)、リビング・主寝室床暖房、物干しポール2か所(一部)、ソフトクローズ機能付き引き戸、タンクレストイレ、エアコンなど。
販売担当の伊藤忠ハウジング・福澤匡晃氏は「分譲を待ち望んでいらっしゃった方が多く、設備仕様レベルの高さに驚かれています」と語った。現段階のエントリー数は700件、モデルルーム来場者は120組。
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現地は、ナイスが「スマートウェルネス体感パビリオン」として利用していたところだ。何年前だったか、パビリオンが廃止されたとき、必ずマンションになると思った。敷地が松尾工務店の所有地だったのは全然知らなかったのだが、現地にマンション建設の看板がかかったときから-自社社屋に隣接するのだから、絶対レベルの低いものにはならない-と確信し、坪単価は400万円をはるかに突破すると予想していた。
基本性能・設備仕様は前段で書いた通り。文句なしにいい(これほど高いとは全然思わなかった)。ところが、単価予想は大外れ。レベルの高さを価格に反映したら坪420万円はするはずだ。
小生は単価予想に自信がある。外しても数%か、1割を超えることはまずない。どうしてこれほどまでに予想を外したか。敷地がもともと同社所有で、施工も同社ということが主な理由だろうが、それよりも横浜の老舗建設会社として暴利をむさぼるようなことはしないという矜持ではないかと思う。
非上場というのも理由の一つかもしれない。同社の株主構成がどうなっているかわからないが、仮に〝どうしてこんな安値で売るのだ〟と訴えられても〝利益の源泉であるお客様にその利益の一部を還元してどこが悪いのか〟と一喝すれば、誰も二の句は継げられないはずだ。