大規模木造建築の普及と技術の発展に貢献
昨年は、時間外労働の上限規制、建築資材価格の上昇等による建築工事費の高騰に伴い住宅着工戸数が低迷するなど、厳しい市場環境でした。しかし賃上げによる内需回復の動きや、脱炭素化に向けた木造建築のニーズの高まりなど明るい兆しもあります。12月には「子育てグリーン住宅支援事業」の創設などを盛り込んだ令和6 年度補正予算が成立し、また、子育て世帯等に対する住宅ローン減税制度の維持・継続等が与党の2025年度税制改正大綱に盛り込まれました。これらの動きが住宅市場の更なる活性化につながることを期待しております。
当社にとっても、昨年は創業50周年という節目の年でした。
5月には本社とグループ会社の本社などの事務所を東京都江東区の「木の街」新木場に集約しました。そして、ABW(アクティビティ・ベースド・ワーキング)を導入することで、社員間のコミュニケーションを活性化し、より創造的な発想を生み出すことができる環境を構築しました。
10月には、新工法「MOCX WALL工法」を発表しました。これは、従来のツーバイフォー工法を進化させ、木造マンション「MOCXION」のために開発した高強度耐力壁の技術を戸建住宅向けに最適化したものであり、ツーバイフォー工法の特長でもある優れた耐震性、断熱性、耐久性などはそのままに、さらに自由な設計を可能にする工法です。
11月には「ウッドデザイン賞2024」において7つの作品で受賞しました。これは木造マンション「MOCXION」が各デベロッパーとの協業で完成したことや施設建設の木造化、木の持つ特性の研究、さらに流通材の活用や地産地消を促進する国産杉材を用いたトラス技術の開発など多岐にわたる取り組みが評価をうけたものです。 「MOCXION」ブランドをはじめとする大規模木造建築の普及と技術の発展に当社が貢献できたことへの評価と受けとめ深謝いたします。
創業以来、当社はツーバイフォー住宅のパイオニアとして、常に時代の変化を先取りし、革新的な技術とサービスを提供することで、お客様の「すまいとくらし」を豊かにすることを目指してまいりました。近年、地球温暖化や自然災害の増加など、社会課題が深刻化する中で、住宅業界においても脱炭素化やレジリエンス強化への対応が求められておりますので、創業以来培ってきた木造建築の技術とノウハウを活かし、環境負荷の低減と災害に強い住宅の開発に積極的に取り組んでまいります。
三井不動産グループは、&マークの理念として共生・共存・共創により新たな価値を創出する、そのための挑戦を続けます。同グループの一つである当社は、「高品質な木造建築の提供を通して、時を経るほどに美しい、持続可能なすまいとくらしを世界に広げていく」という使命を胸に、これからもお客様に最高の価値を提供できるよう、全社一丸となって努力してまいります。本年も変わらぬご支援、ご鞭撻を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。