「FREX asgard(フレックス アスガルド)」
旭化成ホームズは1月14日、「ヘーベルハウス フレックス」シリーズ(重鉄・システムラーメン構造)の3階建て新商品「FREX asgard(フレックス アスガルド)」を 2025年1月17日から販売開始し、併せて戸建て全商品について「断熱等級6」(Ua値0.46)を標準仕様とすると発表した。
新商品は、同社のハイエンド向け超大型「RAUMFREX(ラウムフレックス)」に次ぐアッパー層をターゲットにしたもので、アルミ樹脂複合サッシを採用することで断熱等級6とUw値1.5を達成。ガラス面積も5.5%アップさせ、デザイン性を高めている。外壁部の断熱材も従来の厚さ60mmから70mmに変更した。
また、1階と2階にはハイシーリング(天井高2.560mm)を採用し、折り上げ天井「ハイルーフユニット」や「ダウンフロアユニット」を組み合わせることを可能にするとともに、全館空調を無駄なく設置可能にした。新開発の大開口サッシ「スライディングマリオン」は、サッシフレームをスリム化したことでガラス面を大きくしている。
外観デザインは、柱状節理をモチーフにした縦基調の大壁面「ランダムバーチカル」と新吹付色「レニウムブラック」を掛け合わせることで堅牢で優美なデザインとし、H型鋼をモチーフにした水平ラインにより建物に広がりと安定感を演出している。
販売目標は年間150棟。プロトタイプの建築面積は173.45 ㎡(52.5 坪)、延床面積:334.24 ㎡(101.1 坪)。坪単価は115万円から。
発表会で同社取締役兼専務執行役員・大和久裕二氏は「2022年4月以降に発売したアッパー・アッパーミドル向けの商品『RATIUS(ラティウス)』シリーズの累計受注棟数は1,475棟、2023年4月に採用した『ロングライフ全館空調』採用数は1,108件に上っている。2025年売上高1兆円達成に向けた経営戦略を推進するため、戸建ての大型化と高付加価値化を加速させる」と話した。
内観
左から同社技術本部商品企画部長・鈴木悟史氏、大和久氏、技術本部商品企画部・松本淳氏
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新商品のプロトタイプは、建築面積が52.5坪、延床面積が101.1坪だから、建てられるのは敷地面積が100坪以上(建ぺい率50%、容積率100%として)だろうが、2階リビングが29.7坪(ベランダ含む。LDKは47.5帖大)というのが素晴らしい。
同社の富裕層向け2階建てフラッグシップモデルハウス「RAUMFREX(ラウムフレックス)」の延床面積は120坪、リビングダイニングは16.8坪(55.4帖大)なので、リビングダイニングは今回の新商品のほうがベランダを含めればはるかに広い。
欲を言えば、1階、3階の階高を抑えてでもリビング天井高は3m以上にしてほしかった(「RAUMFREX」は最大3.36m)。
坪単価は安いと感じた。もちろん土地代も含めてだが、マンションで100坪なら準都心部でも最低5億円、郊外部でも2~3億円はする。販売目標の年間150棟はらくらくクリアするのではないか。
モデルハウス見学会を「駒沢公園ハウジングギャラリー」内で行うそうだからレポートしたい。
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記者は、新商品もさることながら、戸建て全商品の断熱等級を「6」にすることに注目したい。標準仕様化は受注増につながるとみた。同社によると、断熱等級6の採用率は2022年11月時点で全商品の約4割で、今回の新商品投入によって2025年以降は約9割になるという。また、「鉄骨住宅」かつ「3階建て」で断熱等級6を標準仕様化している大手ハウスメーカーは初とのことだ。
断熱等級については、パナソニックホームズが昨年4月、三井ホームが昨年7月、それぞれ断熱等級7(Ua値0.26)の新商品を発売し、積水化学工業は昨年末、同社の戸建て商品すべてを「断熱等級6」にすると発表した。
国は2025年以降は断熱性能4(Ua値0.87)以上、2030年以降は等級5(Ua値0.60)以上に適合するよう義務化している。
東京都も昨年10月、「東京ゼロエミ住宅」の性能基準を改正し、それまでの最高値「水準3」(Ua値0.46)より高い最高値「水準A」(Ua値0.35以下)を新設、「水準3」は「水準B」にした。
断熱等級6がスタンダードになる。記者はUa値6の威力は体験してわかっているが、Ua値0.26はどのような性能かわからない。どこか見学会をやってくれないか。