「ミライネス柏の葉キャンパス」(北道路側から)
ポラスグループのポラスガーデンヒルズは5月9日、分譲戸建て「ミライネス柏の葉キャンパス」のメディア向け見学会を行った。戸建ての開発が今後加速するとみられる区画整理事業地内に位置する全5戸で、樹木やウッドデッキを配した中庭を取り囲むように配棟し、協定によりフェンスをなくしコミュニティの醸成を図っているのが特徴。
物件は、つくばエクスプレス柏の葉キャンパス駅から徒歩15~16分、柏市正連寺字出山の第一種低層住居専用地域(建ぺい率50%、容積率100%)に位置する全5戸。土地面積は170.00~172.00㎡、建物面積は102.71~112.39㎡、価格は7,490万~7,990万円。構造・規模は在来工法2階建て。建物は5月に完成済み。施工はポラテック。
昨年9月から予定広告を開始し、今年3月までの問い合わせ件数は約100件、4月から契約を開始し、3戸が成約済み。来場者は約30件で、6割が千葉県居住者。うち半数が柏市内。残りは流山市のほか東京、埼玉、神奈川など。
現地は、千葉県が施行している約272.9haの柏北部中央地区一体型特定土地区画整理事業地内に位置。周辺は戸建て住宅地で、地区計画により最低敷地面積は150㎡(45坪単価)以上に定められている。
主な特徴は、全戸敷地面積が50坪以上、全棟ZEH、長期優良住宅、離れ(2戸)、「小路」、「ウッドデッキ」など。
企画意図について同社設計部シニアマネージャー街並デザイン室室長・松井孝治氏は、「当社グループは街並み景観を大事にしており、それぞれがしのぎを削っている。当社は千葉エリアを担当しており、今回はプラスαの取り組みとして家と外を一体的に設計し、コミュニティを育む境界レスとしたほか、『離れ』を2戸設けるなど豊かな空間を演出した」と語った。
また、同社ガーデンヒルズ事業部設計部企画設計室1係係長・水野貴裕氏は、「用地は2年前に取得。テーマは光と緑とコミュニティ。南側の3戸は前建の視線を気にされる方もいるので、中庭はあえて中央に配し、住戸間のフェンスもなくしコミュニティに配慮した」と話した。
販売担当の同社ガーデンヒルズ事業部ウッドガーデン事業所営業課課長・石田和広氏は、「周辺はハウスメーカーの停止条件付宅地分譲が多く、土地代だけで5,000~6,000万円している。建売りは差別化を図れるかどうかが課題。価格は値ごろ感があり、完全ZEHとし、中庭や『離れ』の提案がお客さまから高い評価を頂いている」と語った。
中庭
南道路の住戸から
中庭
離れ
ウッドデッキ空間
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ポラスグループの〝コモン〟を演出した分譲戸建てはかなり見学している。今回も差別化は図られていると思う。気になったのは、同社の建売りとは真逆の、街並みの統一感などまるでない周辺の停止条件付きと思われる住宅街だった。敷地面積だけでも100坪はありそうな豪邸もあれば、敷地全体がコンクリで固められている住宅もあった。
購入した土地にどのような建物を建てようと勝手ではあるが、建物と外構・街並みは不可分だ。柏市の地区計画では1低層の敷地面積は最低150㎡(45坪)確保するよう求めているが、緑化基準はまったくない。ハウスメーカーもまたそれに倣ったのだろう。
今後、区画整理事業地内では大量の住宅が建設されるのだろうが、てんでんばらばらの街にならないか心配になった。行政もハウスメーカーも美しい街並み形成にもっと力を入れるべきだ。