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2025/06/18(水) 21:39

子どもの感性・社会性の発達と会話の関連研究 積水ハウス×京都大学

投稿者:  牧田司

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 積水ハウスと京都大学は6月18日、2024年度から実施している包括連携で、今年度からの2か年で実施する共同研究テーマを「住まいにおける子どもと家族との会話によるつながりに関する研究~子どもの感性・社会性の発達を目指して~」にすると発表した。同日、公開報告会をリアル&オンラインで開催し、全国の家族を対象にしたプレ調査結果を報告した。

 包括連携は、子どもの感性発達に有効な住提案に関する知見の拡大・創出を目的として2024年から実施しているもので、1年目は共同研究の本格始動に先立ち、住まいにおける「家族のつながり」が子どもの感性や幸福感にどのような影響を与えるのかを探るため、長子が小学校3年生~高校3年生相当の男女と、その長子を対象とした832人を対象としたインターネットによるプレ調査を実施した。

 その結果、親とのコミュニケーションに満足している子どもは「今、幸せだ」と感じている割合は76.3%、親との会話が十分とれていると答えたのは38.0%、親とのコミュニケーションに「満足」と回答した子どもは、知的好奇心や感性などの子どもの非認知能力が育まれている傾向が強いことなどが分かった。

 共同研究テーマを「住まいにおける子どもと家族との会話によるつながりに関する研究」にしたのは、京大式AGORAを実施した結果、共同研究テーマは、①「感性」に加え、「社会性」も対象にした研究②「子ども」だけでなく、「家族」も対象にした研究③「言葉」、「対話・会話」を対象とした研究が大事との結論に達したため。

◇        ◆     ◇

 プレ調査の結果は、いずれも納得できるものばかりだった。しかし、記者は逆のことを考えた。親子のコミュニケーションが十分でない子どもの23.7%は「今、幸せだ」と感じていないということでもある。

 ここでその理由について深煎りはしないが、ファミリー層の住宅取得(賃貸も同様)環境は厳しさを増している。文科省の調査によると、不登校児童は年々増加しており、令和5年は約34.6万人、1,000人当たり37.2人に上っている。

 積水ハウスはこれまでレベルの高い住宅を供給しており、ユニバーサルデザインについてもどこより先進的な取り組みをしていると思う。「5本の樹計画」に代表されるように緑環境の保全にも力を入れている。

 共同研究では、住宅の質と緑などの住環境が子どもにどのような影響を及ぼすかについても踏み込んでいただきたい。さらにまた、劣悪な住環境でも立派な大人に成長する子どもはたくさんいるはずだ。


 

 

 

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