「青山リノベーションスタジオ」
インテリックスグループのインテリックス空間設計の個人向けショールーム「青山リノベーションスタジオ」を7月3日見学した。14年も前から断熱窓(二重サッシ)の提案を行っているのに驚愕した。
リニューアルでは、「生活課題の解決」と「多様化する高品質ニーズへの対応」をコンセプトに、最新設備を展示するだけではなく「どんな暮らしが実現できるのか」を提案できるショールームとなっている。
スタジオでは、断熱窓(Low-E樹脂サッシ)の施工例や、飛騨高山の家具を採用し、床は突板仕上げのヘリンボーン、電動シャッター、キッチン動線、限られた収納スペースを有効に活用する提案などが体験できるようになっている。
同社リノベーションデザイン部部長・阿部貴氏は、「コロナ以降、資材の高騰、職人工賃の上昇が続いており、フルリノベの単価は21万円/㎡。2~3割はアップしている。今後も工事単価は上昇すると思われ、なるべく早めに決断されるのをお勧めしたい」とアドバイスしている。
同社は1998年2月設立。年間販売1000件を超えるインテリックスの「リノヴェックスマンション」の設計・施工のほか、同業他社のリノベ請負、個人向けリノベ施工を三本柱として事業展開しており、同スタジオは個人向けショールームで2015年に開設している。
「青山リノベーションスタジオ」リビング
洗面
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同社のリノベマンションを初めて見学したのは20数年前だ。物件そのものは〝好立地〟のいいマンションだったが、共用部分のサッシは手付かずだったのを思い出す。その後、同社が中心となって自主規制団体・リノベーション協議会(理事長:インテリックス会長・山本卓也氏、設立時はリノベーション住宅推進協議会で山本氏は同社社長)が平成21年5月20日に設立された。現在の会員数は736者にも及ぶ。〝リノベ〟は〝リフォーム〟に取って変わった。
しかし、記者はこのリノベにいい印象を持っていない。玉石混交の世界だ。ほんの200~300万円の工事を施しただけで、数百万円から1,000万円くらい価格にオンして暴利をむさぼる業者が続出した。
この日、「青山リノベーションスタジオ」を見学して、同業他社も一般の方も同社の「品質にこだわるまじめな『施工力』」(同社パンフレット「RENOVATION STYLE BOOK」)に学ぶべきだと思った。
その典型例が省エネ提案だ。写真のように、PLASTとトステム2社の二重樹脂サッシ(内窓)の提案を行っている。窓下は断熱壁にしている。これは、2011年3月11日、つまり東日本大震災が起きたその日から行っているそうだ。なぜその日だったかは、同社広報担当のTさんは「山本(当時社長の卓也氏)が提案することを決めた、その翌日に震災が起きたのでよく覚えています」と話した。
今から14年前だ。今でこそLow-Eガラスは当たり前になっているが、当時、二重サッシを採用するのは防音対策としてで、断熱性能を高めるものなどなかった。
マンション標準管理規約で、窓ガラスなどの防犯、防音、断熱性能の向上について管理組合がその責任と負担において実施すべき(実施できない場合は区分所有者の責任と負担)と定めたのはそれから5年後のことだ。それより前に、同社が既存マンションの断熱化に取り組んでいたのを聞いてびっくりした。今でもリノベマンションの窓の断熱工事を行っているのは少数ではないか。
断熱窓(二重サッシ)の提案(左がPLAST、右がトステム)
へリーンボーンの床
元町仲通りの中心地販売好調インテリックス「リシャール横濱元町」(2016/2/8)