「Tonowa Garden(トノワ ガーデン) 目白台」
三菱地所レジデンスと東京大学は7月7日、国立大学法人東京大学の土地有効活用事業の第一号となる東京大学目白台キャンパス内のヘルスケア複合施設「Tonowa Garden(トノワ ガーデン) 目白台」が竣工したのに伴う「まちびらき&完成内覧会」を開催した。
同事業は2020年5月、東京大学目白台キャンパスの土地有効活用に係る事業協力者募集に対し、三菱地所レジデンスが事業主、三菱地所が総合企画として選ばれたもの。2023年8月に着工し、2025年1月に竣工した。施設は期間65年の定期借地権付きで、名称は「〇〇との輪」と「Garden」を組み合わせたもの。
研究施設として、「暮らしの保健室」「みんなのケアをする力をサポート」「看護・ケア専門職のサポート」の3つの取り組みを推進する、東大看護系教員、大学院生、学部生で構成される「東大GNRCオープンラボ」(東京大学大学院医学系研究科附属グローバルナーシングリサーチセンター)が入居している。
「医療・ヘルスケア施設」としては、「東大看護ステーション目白台」(一般社団法人東大看護学実装普及研究所)があり、従来の介護保険・医療保険制度による訪問看護のほか、保険外看護サービスとして世帯単位での月額制看護サービス[GNRCつながるケア]も行っている。
この他、小児から高齢者まで全年齢層を診療の対象とするクリニック「ふくろうクリニック目白台」(医療法人社団創福会)、調剤薬局「目白台薬局」(メディシステム)、サービス付き高齢者向け住宅「クイーンヒル目白台」(コミュニティネット)、介護付き有料老人ホーム「アリア護国寺」(ベネッセスタイルケア)、リハビリ特化型デイサービス「元氣ジム目白台」(ルネサンス)、学童保育施設「ベネッセ学童クラブ護国寺」(ベネッセスタイルケア)、コミュニティラウンジ「目白台の間」(PIAZZA)が入居。防災備蓄倉庫も備えている。
まちびらきイベントに出席した三菱地所レジデンス執行役員投資アセット企画開発部長・渡辺昌之氏は、「隣接地には国際的な交流拠点『目白台インターナショナルビレッジ』があり、多様な機能が融合した施設が完成した。施設名称には地域との輪、東大と隣人との輪、入居者との輪など様々な方々の輪が形成されて広がっていくという願いを込めた。三菱地所グループが長年取り組んできた防災の知見も取り入れ、防災コミュニティの形成にも取り組んでいく。地域の癒しの場であり、出会いの場、研究と学びの場でありたいと願っている」とあいさつした。
東京大学理事・菅野暁氏は、「この土地は、東大附属病院分院として明治41年の開院から平成13年の閉院まで104年の長きにわたり教育、研究の発展にかかわってきた歴史を持つ。閉院後の令和元年度に『目白台インターナショナルビレッジ』が竣工した。今回の施設は、平成16年の国立大学法の改正によって大学が所有する土地の第三者への貸付けが可能になった制度を活用するもので、大学の財務基盤強化の一環として初めて取り組むもの。医療、福祉、教育、研究すべての分野を網羅する素晴らしい施設になった」と語った。
東京大学グローバルナーシングリサーチセンター長・山本則子氏は、「わが国は高齢者が増える一方で、人口が急速に減少してきており、従来型の専門職と家族によるケア体制は限界に近い。私たちが提案しているのは、専門職だけでもなく家族だけでもなく、街の誰もがケアの担い手になろうということ。各種のプログラムには期待をはるかに超える応募があり、ニーズが大きいことを実感している。街ぐるみで支え合い、ともに幸せを追求できる社会の実現を目指したい。この新しい街づくりの試みが広く発展し、日本全国や世界のモデルになるよう微力ながら貢献したい」と話した。
物件は、東京メトロ有楽町線護国寺駅から徒歩6分、文京区目白台3丁目に位置する敷地面積約5,290㎡、5階建て延床面積約9,608㎡。設計は設計工房イー・ディー。施工は東亜建設工業。竣工は2025年1月。
国立大学の土地活用事業は、国立大学法人法が平成16年(2004年)施行され、同28年(2015年)5月の改正により、文部科学大臣の認可を受ければ、国立大学法人は当面使用が予定されていない土地などを第三者に貸し付けることが可能になった。
同大学の土地有効活用事業としては、東京大学西千葉キャンパス跡地利用事業(約75,299㎡)の事業者として野村不動産を代表とする三井不動産、三菱地所、三井不動産レジデンシャル、三菱地所レジデンス、大和ハウス工業が選ばれている。
この他、NTT都市開発が代表企業の東京工業大学田町キャンパス土地活用事業(約23,222㎡)、阪急阪神不動産によるお茶の水女子大学大山学生寮跡地(約8,046㎡)のマンション「ジオ板橋大山」、住友商事を代表企業とする九州大学箱崎キャンパス跡地地区(約28.500㎡)、野村不動産の東京医科歯科大学越中島地区土地活用事業(約17.967㎡)などかある。
左から渡辺氏、菅野氏、山本氏
3氏によるまちびらきテープカット
外観(北西側)
介護付き有料老人ホーム「アリア護国寺」ラウンジ(全53室のうち8割が入居済み)
サービス付き高齢者向け住宅「クイーンヒル目白台」ラウンジ(全80室のうち11室が契約済み)
「東大GNRCオープンラボ」
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