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2025/09/08(月) 22:12

なぜ特殊詐欺の被害者は女性が多いのか 男と女、仕事と子育て…永遠のテーマ

投稿者:  牧田司

 ジェンダーフリー、男性育休には関係ないことだが、記者は特殊詐欺の被害者は65歳以上の高齢者、とりわけ女性が飛びぬけて多いのが不思議でならない。「愛など必要ない」「すべてはお金」「男は愚か」と話した女性にも会った。男性よりはるかに合理的に物事を考えるはずの女性が、益々分からなくなってきた。皆さんも考えていただきたい。

 警察庁の「令和7年7月末における特殊詐欺及びSNS型投資・ロマンス詐欺の認知・検挙状況等について(暫定値)」によると、特殊詐欺の認知件数は15,583件(前年同期比+4,825件、+44.9%)、被害額は722.1億円(+437.7億円、+153.9%)となり、過去最悪だった前年の年間被害額(718.8億円)を超えた。

 主な特徴は、ニセ警察詐欺による被害が顕著になっており、SNS型投資詐欺の認知件数・被害額は極めて深刻な状況にあり、SNS型ロマンス詐欺も大幅に増加していることだ。「YouTube」から接触する被害が急増しており、「投資名目の広告」や「ダイレクトメッセージが危険」と同庁は警鐘を鳴らしている。

 深刻なのは65歳以上の被害状況で、特殊詐欺全体では52.9%(男性18.7%、女性35.2%)に達しており、手口別では、オレオレ詐欺44.7%(男性13.2%、女性31.5%)、預貯金詐欺99.0%(男性16.0%、女性83.0%)、架空料金請求詐欺35.8%(男性23.5%、女性12.2%)、還付金詐欺82.7%(男性34.9%、女性47.8%)、キャッシュカード詐欺98.7%(男性19.0%、女性79.7%)となっている。

 さらに、興味深いのはロマンス詐欺だ。これも警察庁のデータだが、〝あなたが好き。もっと交流したい〟〝1日中あなたのことを思っているよ〟などの甘言に引っかかる被害者は令和6年1〜6月だけで1,498人(男性62.3%、女性37.7%)もいる。年齢別では男性は50〜60歳代、女性は40〜50歳代が共に半数を超えている。接触ツールはマッチングアプリ、インスタグラム、フェイスブックなど。被害総額は153.9億円だ。単純計算すると1人当たり被害額は約1,027万円にものぼる。

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 記者はそもそもお金などないし、警察のお世話になるような犯罪行為などしたことはないし(学生のとき、違法だという認識はあったが、不動産広告を電柱に張るアルバイトをしたことがあり、夢中で張っていたら運悪く交番の前の電柱だったため、お巡りさんに呼び止められ過料を科されたことがあるが)、SNSは利用したことはないし、マッチングアプリ、インスタグラムも何のことかさっぱり分からない。株投資はリーマン・ショックで手ひどい打撃を受けから20年近くやっていないし、ロマンスとも無縁、キャッシュカードも持たせてもらっていない。

 小生と同じ人種であるはずの、高齢者がやすやすと詐欺に引っかかるのか。その理由は、多分、世の中が狂っていることの反映であり、善悪の判断が出来なくなっている高齢者の弱点を突いた狡猾な手口のなせる業だろう(加害者は圧倒的に男性が多い理由は分からないではないが)。それにしても、なぜ女性の被害が多いのかは、生物学的な性差によるものか、あるいは社会的文化的歴史的な道徳規範の呪縛・性差とも関係があるのか、みんなで考えないといけない。

 家父長制が色濃く残っていた昭和24年に生まれた記者の4つ上の長兄は〝学校嫌だ〟と駄々をこね、母におんぶされて学校まで通っていたのを3歳児の次男の記者はなぜか覚えている。母親におぶさったのは、風邪をひいて動けなくなったときだけだった。恥ずかしくはあったが、医院までの道のりはとても誇らしく思ったものだ。

 妻が死に、約10年間主夫を務めた(と思い込んでいた)、子育てに完全に失敗した小生の蹉跌は子どもとハグすることができなかったことだ。男と女、仕事と子育ては永遠のテーマだ。

 

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