東急不動産 会員権リゾートホテル
「東急ハーヴェストクラブ熱海伊豆山&VIALA」 開業
眺望テラス
東急不動産は8月6日、同社の会員権リゾートホテル「東急ハーヴェストクラブ熱海伊豆山& VIALA」の完成披露内覧会を報道陣向けに行い、8月11日に開業すると発表した。
物件は、JR熱海駅から車で約5分、熱海市伊豆山字奥鳴沢に位置する敷地面積約28,507㎡。建物は地上4階地下4階建て客室総数 182室(「熱海伊豆山」133室、「VIALA」49室)。客室面積は「熱海伊豆山」が37~63㎡、「VIALA」が50~120㎡。会員権は共有制で、募集口数は「熱海伊豆山」が1,500口、「VIALA」が564口の合計2,064口(1室当たり約12口)、募集価格は「熱海伊豆山」が620万 円/口、「VIALA」が909.5万円/口。販売代理は東急リゾート。
会員には年間30枚の宿泊利用券が発行され、「熱海伊豆山」は1泊1名3,780円、「VIALA」はルームチャージ制で12,600~27,300円。無記名式のため、会員が署名捺印した利用券であればメンバー料金で利用できる。
外観
エントランスのクスの巨木
現地は、多くの文人が逗留したという老舗旅館「桃李境」の跡地。樹齢120年を越えるクスの大木がエントランスの中央に植わっているほか、既存樹を極力残した外構計画が特徴。海抜75mの現地からは相模湾、初島・熱海市街地が一望できる。
客室は洋室、和室、和洋室のほかペット対応などもあり、「VIALA」は全客室に温泉露天風呂が付き、専用プール付きや 120 ㎡のスイートルームもある。
レストランは和食とカジュアルダイニング、フレンチの3種。和食の営業時間は24時まで(ラストオーダーは23:30分)。共用施設は温泉大浴場、屋外・屋内・スパプール、エステサロン、ゲームコーナー、キッズルームなど。
内覧会に臨んだ同社リゾート事業本部ハーヴェスト事業部 事業企画グループ グループリーダー課長・中村賢氏は「1室12口の少数オーナー制にすることで予約が取りやすいようにしているほか、無記名式なので30枚の利用券も使いやすく、他の施設も利用できるのが特徴。今後も来年開業予定の『東急ハーヴェストクラブ京都鷹峯& VIALA 』を含めネットワークを全国に広げていく」と語った。
「ハーヴェストクラブ」は1988年、「蓼科」を第一号店として開業。今年で25周年を迎え、今回の施設開業により全国25カ所、客室数 2,740室、最大募集口数 27,132口となった。会員数は約2.2万人。2013年度の売上高は105 億円(前年度104億円)、稼働率は58.5%(同58.1%)を目指す。今回の施設の販売状況も好調で、募集率は「熱海伊豆山」が61%、 「VIALA」が86%。
「VIALA客室」 屋外プール(夜景)
眺望テラス
◇ ◆ ◇
同社の会員制リゾートホテルを見学するのは初めてだが、随所に天然石や無垢材が採用されており、設備仕様は都心の高級ホテル並だと思った。
熱海・伊豆は取材でも個人でもよく訪ねており、回数にすれば20回は下らないはずだが、坪単価400万円、500万円のリゾートマンションを含めこれほど眺望・施設が優れた施設は初めてだ。
関係者も「熱海は低料金の施設と隠れ家的な高級旅館とに二極化が進んでいるが、当社と戦う相手はいない」と話した。
レストラン 和食
石張りの廊下・壁
◇ ◆ ◇
熱海駅から徒歩2分の一等地に建設が中断したままのリゾートマンションがある。ジョイント・コーポレーションの30階建て「アデニウム熱海グランドタワー」(513戸)だ。同社が2009年6月に会社更生手続開始に伴い工事は中断したままになっている。分譲前のモデルルームを見学しているが、坪単価は250~260万円と見られていた。施工は五洋建設だった。
現在、土地の所有権はジョイント以外に移っているが、熱海市は「リゾートマンションより宿泊施設を希望している。その後、ポツポツ開発の話が入ってきているが、開発許可はジョイントさんのまま。登記簿がどうなっているのかは確認していない」と話している。
記者も、市の活性化にはリゾートマンションより、コンベンション機能を備えたワールドワイドなホテルのほうがいいと思う。リッツもハイアットリージェンシーも乗り気になるのではないか。駅前の既存ビルと一体開発すれば一大リゾート拠点になる。
中古リゾートマンションの売買は昨年より活発で、1,000万円クラスが動いていると話を聞いた。
熱海駅前(バブル前とはすっかり様相が変わってしまった)