積水ハウス「グランドメゾン白金の杜 ザ・タワー」
「伊勢山」と肩を並べる記念碑的マンション
「グランドメゾン白金の杜 ザ・タワー」完成予想図
積水ハウスが今秋分譲する「グランドメゾン白金の杜 ザ・タワー」を見学した。タワーマンションではあるが、守衛つきのゲートを設け、敷地面積約6,800㎡の4割以上に約2万本の樹木を植える植栽計画が秀逸だ。免震・制震工法を採用し、長期優良住宅認定も取得している。
物件は、東京メトロ南北線・都営三田線白金台駅から徒歩10分、港区白金6丁目に位置する30階建て全334戸の規模。専有面積は42.21~194.12㎡、価格は未定だが、坪単価は400万円台の半ばになる模様。竣工予定は平成27年6月中旬。設計・施工・監理は大成建設。
物件の最大の特徴は、銀杏並木が美しいプラチナ通りに面していることだ。第二はその植栽計画だ。都心部のタワーマンションの多くは商業地域か準工業地域であるため、どちらかといえば植栽は貧弱な物件が多い。しかし、この物件は建ぺい率60%(70%防火地域耐火建築物)、用途地域が第一種住居地域(一部準工)で容積率が400%であることを生かし、他の物件同様〝5本の樹計画〟を盛り込んだ。約2万本の樹木(低木含む)を起伏に富んだ敷地内に配している。プラチナ通りに面したエントランスには守衛つきのゲートを、ナザレ通りにに面しているところにはナザレゲートをそれぞれ設置している。
建物は大成建設の「ハイブリット免震・制震構造」を採用。長期優良住宅認定も取得している。東京都のマンション環境性能評価では満点に星一つ欠ける14個を獲得。デザインは陰影がくっきり現れる白と黒が基調。
モデルルームは2タイプで、オプションを極力少なくし自然石や無垢材をふんだんに採用。キッチンのバックカウンターも標準で奥行きは調理がしやすい60センチ(通常は45センチ)確保。ドアは全てプッシュプル、引き戸はソフトクローズ機能つきでユニバーサルデザインにも配慮。25~29階は天井高が2.65m。ヒノキ材を用いたサウナ付きプランもある。
モデルルームは6月から予約制で公開しており、順調に集客できているという。
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同社のマンションを見るのはいつも楽しみだ。植栽計画が見事だからだ。今回は予想をはるかに上回るものだった。模型はまるで森の中にマンションがあるようだった。販売事務所の長嶺伸之所長が「タワーマンションだけではインパクトはない。当社らしいこれまでにない森と一体化させたものを提案した。うちらしいマンションだと思う」と胸を張ったが、記者もこれほど植栽が豊富なタワーマンションは見たことがない。
同社はこれまで人気になった「恵比寿」「青山」「三軒茶屋」などでタワーマンションを手掛けているが、やはり規模が大きいので今回の「白金」が一番素晴らしい。
現地の近くには丸紅が10年ぐらい前に分譲して人気になったマンションが建っている。時期が異なるので売れ行きは何とも言えないが、高級マンションとしては、やはり長嶺氏が担当した「グランドメゾン伊勢山」の肩を並べる同社の記念碑的なマンションの一つになるのではないか。