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2026/04/07(火) 14:34

栄の中心地に大規模複合施設 三菱地所他「ザ・ランドマーク名古屋栄」竣工

投稿者:  牧田司

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「ザ・ランドマーク名古屋栄」久屋大通南側からの外観

 三菱地所、J.フロント都市開発、日本郵政不動産、明治安田生命保険、中日新聞社の5社は4月9日、2026年3月31日に竣工した「ザ・ランドマーク名古屋栄」の竣工式&メディア向け内覧会を実施した。

 物件は名古屋随一の商業エリア「栄」の中心に位置し、「世界と人とまちをつむぐ文化・交流価値創造拠点となる未来の名古屋をリードする新たな"ランドマーク"」がコンセプト。竣工前で成約率約98%に達しているオフィスのほか、東海エリア初の「コンラッド・ホテルズ&リゾーツ」、栄エリア初の「TOHOシネマズ」、商業施設「HAERA(ハエラ)」が整備されている。

 外装デザインコンセプトは、紡績の街として発展してきた同地の歴史を継承するため"紡ぎ、織りなし、纏う"とし、様々な色の糸から美しい錦織物が出来上がり、新しい栄の未来(織物)が出来上がっていくさまを表現している。

 31~40階の「コンラッド・ホテルズ&リゾーツ」は、「コンラッド」ブランドとしては名古屋初で、「ヒルトン」としては「ヒルトン名古屋」に続く市内2軒目。ホテルデザインには製造業やクラフトマンシップで知られる愛知県のアートや精巧な職人技を随所に取り入れている。

 33~40階の客室は全170室(うちスイートルーム29室)。スタンダード客室は約50㎡で名古屋地区で最大級の広さ。31階にはロビーラウンジやオールデイダイニング、32階にはスパや屋内プール、ジム、40階にはルーフトップバーやレストラン、エグゼクティブラウンジを設けている。10階と11階には約180名の宴会場を備え、12階はオフィスエントランス・スカイロビー。

 12~30階のオフィスフロアは、総貸付面積約26,000㎡。基準階面積約1,600㎡(約480坪)。竣工前の成約率は約98%に達している。

 5~9階の「TOHOシネマズ 名古屋栄」は、全10スクリーン1,655席を設置。東海エリア初の「プレミアムシアター」「轟音シアター」を提供する。

 B2~4階の「HAERA」は、J.フロント リテイリンググループが主導する大丸松坂屋百貨店とPARCOが手掛けたラグジュアリーモールが入居している。

 広場の大部分には人工芝を整備し、南東面、南西面それぞれに約30㎡の大型モニターを設置し、情報発信拠点としている。

 環境配慮の取り組みとしては、CO2フリー電力の導入、緑化面積20%以上、屋上緑化、「名古屋市建築物環境配慮制度(CASBEE 名古屋)」最高位のSランク、東邦ガスの地域冷暖房プラントの導入など。

 物件は、名古屋市営地下鉄東山線・名城線栄駅直結、名古屋市中区錦三丁目に位置する敷地面積約4,866㎡、地下4階地上41階建て延床面積約約109,700㎡。主要用途はホテル、オフィス、シネコン、商業、駐車場。設計は三菱地所設計、竹中工務店、監理は竹中工務店。コンストラクションマネジメントは三菱地所設計、施工は竹中工務店。着工は2022年7月1日、竣工は2026年3月31日。

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外観 北西側

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オフィスラウンジ(13F)

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オフィススカイロビー

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ホテルロビーラウンジ(31F)

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ホテルスイートルーム

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屋上広場

◇        ◆     ◇

 中部三県(愛知・岐阜・三重)の経済構造は、圧倒的なシェアを誇る自動車産業(輸送用機械製品の全国シェア52.5%)を筆頭に第二次産業の収益力が強いために、地域内の企業で自己完結する〝自前主義〟や地域の集団を重視する〝地域気質〟の保守性が指摘されてきた。

 記者は、出身の三重県を離れて60年になるが、当時は、電力は中部電力、銀行は東海銀行(三重は百五銀行)、新聞は中日新聞(同伊勢新聞)、交通は名鉄(同三重交通)が独占的な地位を占めていた。今でも中日新聞の中部三県の購読シェアは50%近いはずだ。

 この保守的な経済構造がデジタル・グローバル化への対応を遅らせたという指摘もある。リニア中央新幹線の開業が起爆剤となり、三大都市圏の「スーパー・メガリージョン」を牽引するのは中部圏だと期待されていたが、開業は大幅に遅れる見込みだ。

 中部圏社会経済研究所の2026年度の東海3県の経済見通しは、「総じて、2026年度の東海3県経済は、家計部門の所得環境の改善が十分でなく、民間需要の自律的な拡大にはなお課題を抱える一方、設備投資の底堅さと外需・公需のプラス寄与によって、かろうじて1%成長を維持する拡大局面の兆しと位置づけられる」としている。

 今年の地価公示でも〝低迷〟する名古屋圏を印象付ける結果となった。前年比上昇率では、3大都市圏の全用途平均4.6%、住宅地3.5%、商業地7.8%だけでなく、全国の全用途平均2.8%(名古屋圏2.3%)、住宅地2.1%(同1.9%)、商業地4.3%(同3.3%)を下回っており、地方4市(札幌、仙台、広島、福岡)にも大きく引き離されている。今年2月には、名古屋駅前の名鉄百貨店が71年の歴史に幕を閉じた。

 今回の「ザ・ランドマーク名古屋栄」の開業が地域経済の活性化に貢献することを期待しているのだが…事業者に地元のデベロッパーの名がないのは寂しい。


 

 

 

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