三菱地所レジデンス、野村不動産、東京建物「スーパータック フィットMTN」
「スーパータック フィットMNT」
三菱地所レジデンス、野村不動産、東京建物の3社は8月28日、共同でマンションの家具転倒防止器具「スーパータック フィットMNT」を開発したと発表した。北川工業の協力のもとで約100回の加振実験を行い、その知見を基に商品開発を行うことにしたもので、マンションデベロッパーが共同して新たな商品開発の研究・監修をするという取組みは業界初。
実験に用いた家具転倒防止器具のサンプルには、家具頂部で家具側の固定パーツに「粘着ゲル」、壁側の固定パーツに「粘着ゲルまたはビス」を採用。固定パーツを「耐震バンドまたはプラスチック製アーム」で連結し、家具の足元の手前側には「滑り止め器具」を取り付けた。
実験の結果、震度7相当の地震でも家具転倒の危険性を低減させるためのデータを集めたという。
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マンションの家具転倒防止については、三井不動産レジデンシャルが一昨年の12月、新たな防災基準を設け、家具転倒防止対策も発表した。住戸内壁面に家具転倒防止下地を設置するほか、大型テレビなどにも対応できるよう上下二段の転倒防止下地を設置し、戸境壁についても上下二段に転倒防止下地を設置するというものだった。
記者は、三井不動産レジデンシャルが「画期的」な家具転倒防止策を打ち出したことで、他社も対応を迫られると思ったが、それが今回の開発につながったのだろうと考える。
「粘着ゲル」は壁クロスやコンクリート壁に取り付けるのだろうが、はがれないのか心配だが、三菱地所の広報は「下塗りのシーラーに工夫が凝らされているので大丈夫」とし、「それほど強力なゲルなら間違って手にくっついた場合、はがれなくなるのでは」との問いに対しては「私も試してみたがはがれる。事故につながることはない」と太鼓判を押した。
三菱地所レジデンスは来年1月以降に引き渡す物件で1住戸につき1セットと「水性シリコン下塗りシーラー」を無償配布する。東京建物は「詳細は決まっていないが、年内には採用したい」としている。野村不動産も「近いうちに採用していく」と話している。