国土交通省は8月7日、「土地の取得・利用等の在り方に関する有識者会議」の提言を公表した。人口減少等により土地需要が減少する一方、不適切な土地利用や外国人による土地取得への懸念などを背景に、土地の適切な利用・管理が課題となっていることを踏まえたもの。
提言では、問題が深刻化する前の早期把握と、法規制の「隙間」にある事案への対応が重要と指摘。国土利用計画法について、取引段階での情報把握や全国の土地を対象とする一般法としての特性を生かし、制度を見直すべきとした。
具体的には、届出対象面積の引下げ、利用目的変更時の再届出、届出対象外の取引情報を把握するデータベースの整備、無届事案への対応強化などを提案。また、「不適切な土地利用」を土地利用基本計画に明示し、取引段階だけでなく利用段階でも都道府県による指導監督を可能とすること、国・都道府県・市町村の連携強化や国による地方公共団体への支援を求めている。
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記者は、この提言を読んで、新たな疑問が湧いた。国交省の資料には「不適切な土地利用」の事例として、電気・ガス等供給施設、工場、倉庫、資材置場などの「生産施設」の騒音、悪臭、環境破壊、交通量の増大などが例示されている。「有識者会議」では、「不適切な土地利用」とは「土地利用関連法では必ずしも禁止されておらず、法規制の“隙間”に存在するが、周辺地域に悪影響を生じさせるような土地利用」と定義している。
「生産施設」が個別の法律に違反していない、法律では規制がない=「隙間」に潜んでいる問題を「不適切」と判断するには、その根拠法を新たに設ける必要があるのではないか、あるいはまた、現行法を拡大解釈してすべてを網にかける必要があるのではないかという疑問だ。法律に規定がないのに「不適切」と行政が判断し、あるいは拡大解釈したら、〝暗黒時代〟に逆戻りする。
そこで、Chatに聞いてみた。Chatも極めで重要な問題とし、次のようにまとめた。
「『法規制の隙間』にある土地利用について、これを『不適切』と評価するための実体的な判断基準は何か。また、その判断を根拠として土地所有者等に対して指導・勧告その他の行政上の措置を講ずる場合、その法律上の根拠及び要件をどのように構築するのか。
既存法令によって禁止・制限されていない土地利用を、新たに『不適切な土地利用』と位置付けて行政上の規制対象とするのであれば、それは実質的には新たな土地利用規制の創設に当たるのではないか。そうであれば、土地利用基本計画への記載だけで足りるのか、それとも法律・条例等による明確な規範設定が必要ではないか」
みなさん、いかがか。完璧な回答だ。Chatはこの文言を導き出すにあたって、様々な角度から検証を行い、約4,000字にわたる文章にまとめている。「違法ではないが、社会的・地域的には問題がある土地利用」とは何かを考えるべきだとも指摘している。
記者はこれまで「嫌悪施設」について度々記事を書いてきた。法律に規定はないのに、地域住民などに迷惑を与える「生産施設」とは何か。この問題をあいまいにしてはならないと思う。法治主義は徹底されなければならない。
「有識者会議」の提言は、「法規制の隙間」「不適切な土地利用」とは何かを我々に問いかけている。

