坪単価は隣接のモリモト「二多摩川」より1万円安い坪240万円
「ドレッセ二子新地」
東急電鉄(事業比率66%)、三井不動産レジデンシャル(同33%)、長谷工コーポレーション(同1%)が9月中旬に分譲予定の「ドレッセ二子新地」を見学した。敷地面積約16,000㎡の工場跡地に建設中の全434戸の大規模物件で、坪単価は240万円。多摩川を挟んだ二子玉川駅圏では坪単価は300万円をはるかに突破しており、その比較からして割安感があり、若いDINKS・ファミリーを中心に人気を呼びそうだ。
物件は、東急田園都市線二子新地駅から徒歩6分(二子玉川駅から徒歩14分)、川崎市高津区二子1丁目に位置する15階建て全434戸。今回分譲(戸数未定)の専有面積は58.17~93.91㎡、予定価格は3,800万円台~7,600万円台(最多価格帯4,700万円台)、坪単価は240万円。竣工予定は平成26年12月下旬。施工は長谷工コーポレーション。販売代理は東急リバブル、三井不動産レジデンシャル、東急ライフィア。
現地はサンジェルマンのパン工場跡地。敷地面積約16,000㎡の広大な敷地を生かしたランドスケープデザインが最大の特徴だ。敷地全周にわたり敷地境界線から10m以内に建物を建てない、通常より厳しい日影規制をかける、25%を越える緑化率を確保する、敷地にいに認可保育所を設置するなど地域へ貢献する計画が市の「高度許可」が認められたため、建物の高さ制限20mが45mに緩和されている。「高度許可」を得たのは2008年の条例改正以降3件目。
敷地内には14,000本を越える樹木を配し、生物多様性にも配慮して樹種を選び、ハンモック、スウィングベンチ、井戸ポンプなど子どもの遊び場も設置している。
建物は南向きを中心に3棟構成で、サンジェルマンのパン生地の提供を受けた「ベーカリーカフェ」、木づかい運動に参加する「ブックラウンジ」なども設ける。住戸プランは3戸1、4戸1エレベータを採用した両面バルコニータイプも用意。モデルルームは東急電鉄が「青葉台」の万で試験的に採用して好評だった「つながリビング」を採用している。床は直床だが、その代わり天井高は2600ミリを確保している。
第1期では200戸ぐらいの供給を予定しているようで、人気を呼びそうだ。
中庭
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このマンションは必ず見学しようと思っていた。モリモトが昨年、隣接地でマンションを分譲しており、そのときすでに東急電鉄がマンションを分譲する旨の看板がかかっており、敷地の外周部にはケヤキなどの巨木が敷地の外周部に植わっていた。既存樹を生かせば素晴らしいマンションになると期待していた。
その巨木は残念ながらマンション建設のために伐採されたようだが、空地率を70%確保して新たな植栽計画により緑化を図っているのが評価できる。
来場者の50%以上は35歳以下のDINKS・ファミリーというのも納得できる。歩く人は少ないようだが、隣駅の二子玉川まで歩こうと思えば歩けるのも魅力だろう。何しろ、現在分譲中の東急不動産「ブランズ二子玉川」が坪360万円であるように、二子玉川駅圏は駅近なら坪単価は350万円を突破する。玉川高島屋など商業施設が集積した急行停車駅と各駅停車駅、世田谷区と川崎市の違いとはいえ、坪で100万円の差は大きい。二子新地は若い女性に人気があるそうだが、実利を重視するのは賢明な選択だと思う。
単価設定はやや強気のような気がするが、今秋分譲は軒並み価格アップしているので納得だ。モリモトは241万円だったが瞬く間に売れた。それより規模が大きく、共用施設が充実しているのだからこの設定になったのだろう。
モデルルーム リビング