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2013/09/06(金) 15:16

オリンピック開催地 決定まであと2日

投稿者:  牧田司

東京の招致が決まれば選手村が予定されている晴海はどうなるか

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 2020年のオリンピック開催都市がいよいよ8日の未明に決まる。外電によれば東京が有利とも伝えられているが、汚染水問題も浮上している。どうなるかは神のみぞ知るだ。前回も失敗しているだけに何とか招致が決まって欲しいと願うばかりだ。ここでは招致が決まれば選手村が建設され、多くの競技が行なわれる湾岸エリアの中心地、晴海のマンション開発の近未来像を描いてみた。

 ◇      ◆      ◇

 まず、晴海一丁目。ここにはすっかり街が熟成した「トリトンスクエア」がある。敷地面積は約60ha。就業人口約2万人、住宅戸数約2,000戸の商住一体型の複合都市だ。街開きからすでに12年が経過する。オリンピック招致が決まれば、商業施設が大賑わいになるのは間違いない。

 晴海2丁目では、三菱地所レジデンスと鹿島建設が49階建てのツインタワーマンション「ザ・パークハウス晴海タワーズ クロノレジデンス」(883戸)と「ザ・パークハウス晴海タワーズ ティアロレジデンス」(861戸)を分譲中だ。

 「クロノ」は今年11月、「ディアロ」は20164月にそれぞれ完成する予定だ。分譲坪単価は275万円と見られる。中央区アドレスで現時点で最高レベルのマンションでありながら、豊洲や武蔵小杉の単価より安いのは、最寄り駅の勝どき駅から徒歩11分とややあることや、通勤時の混雑もユーザーの決断を鈍らせている要因だ。しかし、招致が決まれば豊洲や武蔵小杉に割り負けするはずはなく、申し込みが殺到する事態になるかもしれない。

三菱地所レジ1,744戸に続き三井不レジは約2,000戸予定

 

 招致でもっとも恩恵を受けるのが三井不動産レジデンシャルかもしれない。同社は昨年11月、約8,800㎡の都有地を約90億円で取得しているが、数年前に隣接地を太平洋セメントから約10,000㎡の土地を取得済みで、合わせて2,000戸ぐらいの規模のマンションになるはずだ。取得額からして原価はかなり安い。招致が決まれば「市場価格」で分譲するはずだ。

 この三菱地所と三井不動産の物件の隣接地には約18,000㎡の太平洋セメントの生コン工場があるが、工場は来年末で稼動を停止することが決まっている。その後の土地利用については現段階では決まっていない。招致が決まれば複合開発となる模様だ。

 

住友不動産は3丁目でSOHO付き1,450戸分譲

 

  晴海3丁目で52階建てツインタワーマンション「DEUX TOURS CANAL&SPA (ドゥ・トゥール)」1450戸を分譲するのが住友不動産だ。詳細は未定だが、分譲開始予定は来年1月。専有面積は44.67123.77㎡。このほかSOHO216区画(32.3457.05㎡)を分譲するのも特徴の一つだ。このエリアでSOHO需要があるのかという声も聞かれるが、招致が決まれば国際的に注目を浴びるわけだから十分売れると記者は見る。

 問題の価格だが、招致を逸すれば坪300万円がアッパーだろう見るが、決まれば320万円でも安いと考えるがどうだろう。同社のマンション分譲が遅れたのは震災の影響が大きいのだろうが、ここでチャンスがめぐってきた。

 この晴海3丁目では、住友不動産のマンションの隣接地「晴海三丁目西地区」では再開発マンションB棟として前田建設工業が33階建て350戸のマンションを建設中だ。同社が分譲するのかデベロッパーに卸すのかは現段階では未定のようだ。住友不動産の動向をうかがいながら事業を進めるということのようだ。

 晴海3丁目ではこのほか1.5haの「東地区」があるが、一部をUR都市機構が取得し再開発計画を進めている。URの資料によれば、招致が決まれば「メインスタジアムの門前町としての役割も期待される」としている。一気に再開発計画が進行するはずだ。

4~5丁目の選手村には恒久住宅5,000戸前後

 

 晴海4丁目、5丁目には、オリンピック招致が決まれば選手村が建設される。招致委員会の資料によれば、都が所有する約40haを含む約44haにユニバーサル・デザインの考え方に基づいて約17,000室が確保される。例示されている居室面積は63㎡の4人用住戸から136㎡の 8人用住戸まで様々なタイプが用意される。全ての住戸にはリビングルームも設けられる。

 選手村用地の所有者である東京都は、公募条件を示し、民間事業者にコンペ方式で建設させることになっている。恒久住宅部分については、大会期間中、大会組織委員会が賃借し、大会終了後の恒久住宅は民間事業者に返却する。民間事業者は、後利用計画に合わせて住宅を改装し、分譲または賃貸することで開発資金を回収する。

 

招致決定すれば開催時には1万数千戸のマンションが完成

 

 いったい恒久利用の住宅規模がどれくらいかは明示されていないが、仮に17,000人を34人で割れば4,3005,600戸ぐらいの計算になる。

 現在、約100haの晴海15丁目にあるマンションは賃貸を含めて約3,300戸。これから建設されるマンションは約5,500戸だ。これに恒久住宅が加われば住宅戸数は1万数千戸になる。アクセスを含めて交通システムをどう整備するかが大きな課題となってきそうだ。財政難の折から地下鉄の延伸までは無理だと思う。BRTBus Rapid Transit)、LRTLight Rail Transit)、あるいは乗り合いタクシーなどの新交通システムが考えられるのではないか。

 

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選手村(完成予想図)

三菱地所レジデンス 全1744戸の「ザ・パークハウス晴海タワー」

前回2016 オリンピック招致失敗時の記事

本日 オリンピック開催地決定(2009/10/2)

 

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