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2013/09/25(水) 15:54

旭化成ホームズ「しぜんごこちの家」大宮のモデルハウスを公開

投稿者:  牧田司

 

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「無限の間」にもなる「白の間」「月の間」

 旭化成ホームズは9月25日、埼玉県さいたま市大宮に完成した「しぜんごこちの家」のコンセプトを搭載したモデルハウス「街かどへーベルハウス大宮東町」を報道陣向けに公開した。狭小敷地の3階建ての身の丈住宅ではあるが、自然の心地よさを巧みに住戸内に取り込みながら、夫婦の居場所、子ども部屋のあり方、一人で思索する場、地域とのつながりなどを様々な仕掛けで見せる盛り沢山・欲張りな家でもある。

 モデルハウスは1階が約36㎡(約11坪)、2階が約53㎡(約16坪)、3階が約41㎡(約12坪)の延べ床面積約132㎡(約39坪)。建築面積は約59㎡(約18坪)。周囲は住宅やマンションなどが建ち並んでいるどこでも見られるような地域の一角。

 テーマが面白い。名付けて「五更観月の家」。「五更」とは、夜明け前のぼんやりとした4時ごろのことをいう「戊夜(ぼや)」と同義語で、せめて家にいるときは「ON」と「OFF」を切り替えて「ぼんやり」とした時間を過ごしませんかという意味が込められている。「観月」とは文字通り、周囲に建物が立て込んでいる都会で「夜空」を眺められる空間を提案している。

 まず、自然の心地よさの提案。門柱と一部の塀には、割栗石をじゃかご風に仕上げたものが採用されていた。最近あちこちで目にかけるが、門柱に採用しているのは初めて見た。これは石のままでもいいが、土や砂などを入れれば自然に草花が生えてくるものだ。玄関ポーチはメンテ不要で30年の耐久性があるという南米・中米産のリグナムバイタ・パルサイト材を採用。

 1階は「夫婦の居場所」。ソファーコーナーと小上がりのタタミコーナーにすることで、7.2畳大の広さにもかかわらず多様な利用の仕方を可能にしているのが特徴。別に寝ることも可能だ。

 2階は「みんなの居場所」。それぞれがやりたいことをしながら一緒に過ごす団らん=「家居(いえい)」と、みんなが一堂に集う団らん=「円居(まどい)」の二つの団らんを提案したもの。クス材のキッチンテーブルは、家族だけでなく仲間とのホームパーティが開けるよう調理台や座卓にも早変わりするスグレモノだ。このほか、パソコンが利用できる文机コーナー、床上げ和室もある。

 3階は「ひとりの居場所」。二人の子どもを想定したもので、それぞれ4.0畳と3.8畳の個室とは別の勉強することを想定した3.9畳の「あいの間」、親やこどもが一人でぼんやりと過ごすことを想定した4.0畳大の「白の間」、さらには「白の間」とつながる「月の間」を設けている。

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「夫婦の居場所」について説明する旭化成ホームズ「くらしノべーション」主幹研究員・村松浩氏。右の写真はテーブルを座卓にして質疑応答の場になった「移ろ居の間」

◇       ◆      ◇

 住宅は平屋(フラット)が一番いいのは言うまでもないことだが、都市圏ではそんな贅沢はできない。このモデルハウスは実によく考慮された家だと思う。住居のあり方を考えさせられる住宅でもある。

 例えば「子ども部屋」を想定した「ひとりの間」。いったい「子ども部屋」の概念はいつごろからわが国に持ち込まれたものか、子どもに個室を与えることが本当に子どものためなのか、「あいの間」では子どもたちはどのような勉強をするのか考えてしまった。「白の間」もそうだ。「白」とは多様な用途に利用できるという意味が込められているのだろうが、記者は「思索の間」「哲学の間」「和合の間」「和解の間」「再生の間」「愛憎の間」「女人禁制の間」「男子入るべからずの間」などにしたら面白いと思った。「無限の間」でもある。

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床上げ和室(左)と「白の間」(手前)「月の間」

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割栗石を用いた門柱と外構

 

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