三菱地所グループが9月25日、恒例の記者懇親会を行った。報道陣は百数十名が、三菱地所からは常務以上の役員18人がそれぞれ参加し、懇談した。
冒頭挨拶に立った木村惠司会長はオリンピック招致決定について触れ、「招致は無理だろうと思っていた。早朝のテレビで決定したのを見てびっくりした。アベノミクスの第4の矢になるのではないか。日本経済の復活、国際競争力の向上に寄与したい。工事費の上昇も懸念されるが、建設業界の構造改革、イノベーションにも期待したい」と語った。
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杉山博孝社長は、同社の直近の事業展開についてプロジェクターを使いながら説明した。詳細は省くが、第2ステージの段階に入った丸の内の再構築に自信をみせ、マンション事業については「質量ともナンバーワンを目指す」と語った。
杉山社長がプロ野球では広島ファンであることを先に東京ドームで行われたイベント「三菱地所を、見に行こう」で聞いたので、話を向けてみた。「そうそう、今日勝てば初のCS進出」と言いながらスマートフォンを出し、実に手早く「いま6回、0-0だ」と確認していた。(広島はこの日勝ち、CSに初めて進出するとともに16年ぶりにAクラス入りを果たした)
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記者の関心事はもちろんマンション事業なので、三菱地所レジデンス・小野真路社長にいろいろ聞いた。ストレートに聞いたので、ここでは書けないが、供給量などについては「競争が激化しており、リーマンショック後、地方ではプレーヤーは5人ぐらいに減ったのが、いまでは10人ぐらいに増えている。『千鳥ヶ淵』のようなピン立地の物件も継続して供給していきたいが、肝心なのはボリュームゾーンの4,000万円以下の物件をコンスタントに供給していくこと。一定のピッチで(用地を)買っていく」などと話した。
記者は、同社だけでなく大手各社に「もう戸数を争う時代はとっくに去った。商品企画で争ってほしい」と願うばかりだ。この点で、積水ハウスの阿部社長が「質が量を呼ぶ」と語ったのは参考になるはずだ。