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2016/06/22(水) 00:00

ケイアイスター秋山 まさかのバント しかも失敗 何が彼を狂わせたのか

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ケイアイスター不動産 浅見

ケイアイスター不動産(83⇒81) 6-5 大和ハウス工業(77⇒79)

  1 2 3 4     合 計
大和ハウス工業      
ケイアイスター不動産 1X      

 

 ケイアイスター不動産がサヨナラ勝ち。エース浅見が最終回連打され、同点に追いつかれたが、その裏、池永がサヨナラ四球を選んだ。「俺のバットで監督に勝利をプレゼントす る」と試合前意気込んでいた秋山は女性マネージャーもあきれる判断ミスを犯したが、勝って救われた。大和ハウス上原は、序盤コントロールが定まらず、5失点 したが、その後は立ち直り、打っても本塁打と2塁打で2打点を挙げた。大和は予選敗退。

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サヨナラ四球を選んだ控えの4番池永

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大和ハウス 上原

◇      ◆     ◇

 この日も先週と同様、神宮外苑軟式野球場で午前10時から午後6時まで8時間、15試合が4つのグラウドに分かれ、同時進行の形でほぼ4試合が行われた。試合後のインタビューも含めて1試合2時間とすると、120分×15試合=1,800分(30時間)のドラマをコマ送りで8時間に凝縮して観るようなものだ。

 それでも必死で感動のドラマを伝えようとグラウンドを駆けずり回った。万歩計で測ったら、15時間で約17,000歩、距離は10.2キロメートル、時間にして約3時間。まあ、こんなもんだろうと思うが、消費カロリーには驚いた。約395キロカロリー、酒2合分もない。15時間かけてこれほどしか消費しない。酒なら30分もかからない。これでは糖尿が治らないはずだ。

 そんなことはどうでもいいが、とにかくみんな素晴らしい試合ばかりだった。真っ先にそのベストゲームの記事から書こうと考えたのだが、それが見つからない。

 そこで、記者は傷口に塩を刷り込むような性悪な性格ではないが、女性マネージャーもあきれ返った、アンビリーバブルなシーンのことから書く。ケイアイスター不動産-大和ハウス工業の試合だ。

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ケイアイスター 秋山

 1回裏、ケイアイスターの攻撃。大和ハウスの先発は上原。上原は全く制球が定まらず、1番大曾根、2番豊川が連続四球を選んだ。この間、ストライクは2球くらいしかなかった。

 そして、ドラマの主役3番秋山が打席についた。記者は次打者の勝俣だったかエース浅見だったか、よく覚えていないのだが〝振らなくても満塁になる〟というような話をしていたら、何と秋山は初球をセーフティバント。球は力なく投手フライとなり1アウト。記者もナインも唖然とした。〝杉山もボケてきたか〟と記者は思った。

 その後、四球に浅見のタイムリーなどでこの回4点を奪い、試合は結局、6-5でケイアイスターがサヨナラ勝ちしたのだが、どうして秋山は初球をバントしたか。

 記者はてっきり杉山監督のサインだと思った。しかし、杉山監督は「今日勝って今年一番うれしい日。しかし、あの秋山の単独のバントはわたしのサインではない。女性マネージャーも〝なんで〟とあきれ返っていた。これはがっつり(記者に)書いていい」と言い放った。

 秋山は試合前、杉山監督にこう約束したという。「監督、うちのチームは点が取れない。何とか俺のバットで監督に勝利をプレゼントする」と。

 それが初球のバントにつながった。よっぽど勝ちたかったのだろう。しかし、相手はアップアップ。ストライクが入らないのだ。かつて知将三原監督は「振るな」のサインを出し、勝利に結びつけたことがある。ここは絶対待つ場面だ。少なくとも2ストライクを取られるまではバットを振ってはいけないシーンだ。

 秋山は「何とか塁を進めようと思って…」とうなだれるしかなかった。

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ケイアイスター 女性マネージャー

◇       ◆     ◇

 しかし、記者は秋山を責める気にもなれない。それだけ野球が難しいスポーツだということだ。ほんのコンマ何秒の判断が求められる。緊張した場面では平常心では考えられない判断ミスを犯すのが野球だ。あと一人、あと一球の場面で、信じられないミスで勝ちを逃した試合を数え切れないほど記者は見てきている。記者の人生もまた〝ミスの積み重ね〟そのものだ。40年近く記事を書き続けてきて、一度も〝これが完璧〟という記事を書いたことは一度もない。

 ミスをいかに少なくするか。大事なのは彼我の力関係を冷静に分析し臨むことだ。記者は初戦のオープンハウス戦で先発した上原について「期待の新人・上原は素晴らしい速球とスライダーを投げた。しかし、制球を欠いたため、甘いストレートをことごとく狙い打たれた」と書いた。

 秋山がこの記事を読んでいたら、初回にセーフティバントは絶対にしないと思う。そして、上原にも言いたい。上原は初戦で対戦した、ボクサー出身で野球は素人の〝パナホームのオコエ〟こと藤代に2打席連続四死球を与え、失点もした。オコエのことは何度も書いた。敵のことを知らずしてどうして戦えようか。

 杉山監督は次の試合も秋山をスタメンに起用するのは間違いない。あれだけみんなの前で詰ったのは、監督一流の激励の言葉だ。一つや二つミスをしたからといってその選手を起用しなかったら、その選手は二度と立ち上がれない。

 秋山が「俺のバットで監督に勝利をプレゼントした」と言えるような打撃を期待したい。

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〝くよくよするな 秋山〟カラスが笑った

 

 

 

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