中央ビル管理(73⇒78) 11-10 東京建物不動産販売(81⇒80.5)
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 合 計 | |||
東京建物不動産販売 | 4 | 0 | 0 | 0 | 6 | 10 | ||||
中央ビル管理 | 0 | 3 | 0 | 4 | 4X | 11 |
(サヨナラ)
「2ストライクまで振るな」-この単純にして明快な中央ビル管理の伊藤監督代行の頭脳的な、失敗すれば無謀な「戦略」が勝利をもたらした。
全くデータがないこの試合。ナインは冷静に試合を振り返る余裕があった。誰彼となく「ノーヒットで得た四死球は16。相手のエラーもなしで11得点」と口にした。勝とうが負けようが、打っても打てなくても、何点取ろうが取られようがいつもへらへらしていた、出ると負けのチームが「戦略勝ち」(伊藤監督代行)できるチームに一変した。
中央ビル管理の2回裏の攻撃を見て、逆転もあるかもと読んだ。東建不販の先発尾崎はいいボールがあるのにまったく制球がなかった。3失点は押し出しによるものだった。
伊藤監督代行の指示が的確だったのだろう。最終回、6点を奪われ7-10となっても「2ストライクまで振るな」と指示する監督などは、100年のプロ野球の歴史でもないはずだ。伊藤監督代行は長嶋さんも王さんもあの三原さんもしのぐ名監督(迷か)として歴史に名を刻むかもしれない。
3回、暴投で生還した中央ビル管理 谷澤(カバーするのは尾崎投手)
◇ ◆ ◇
中央ビル管理に勝利をもたらしたのは18歳の新人投手の乾と5歳年上の姉さん女房役の藤田捕手だ。
乾の勝利投手インタビュー。「昨日は越谷から鎌倉まで150キロ。往復で15時間かけてママチャリ(普通の自転車という意味か)で往復しました」「えっ、何のために? 」「鎌倉が僕を呼んでいた」「? ? ? 」
藤田は前試合で満塁弾を放った清川投手と同期の今年2年目。法大準硬式出身。「本番は来週」と、試合途中から早くも次戦の対戦相手を意識していた。清川は、第1回高校野球大会の出場校の一つ、1897年(明治30年)創立の「広島県立第一中学校」が前身の広島県立広島国泰寺高出身。
◇ ◆ ◇
東建不販-このチームほど訳の分からないチームはない。左腕の齋藤が加入したのでレーティングを引き上げたのは正解だが、齋藤が肩痛で投げられなくなれば〝最弱〟チームに転落することを読めなかった記者の負けだ。
尾崎は昨年も見たが、1年たっても制球難は解消されないどころかさらに悪化していた。
しかし、尾崎の責任ではない。「次は俺が投げるかも」と、思わせぶりな発言をした稲富監督の責任だし、3回の攻撃で簡単にファーストファウルフライを打ち上げた加覧、3球三振した稲富、見逃し三振した中島が悪い。その直後、稲富監督は「流れが変わる」とまるで評論家的なセリフを吐いたが、展開はその通りになった。
小野が最終回3ランを放ったが、前代未聞の「立っているだけで勝った」中央ビル管理を引き立たせるための脇役か呼び出しにしかならなかった。