積水ハウス京葉(78)8-0ナイス(82.5)
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 合 計 | |||
積水ハウス京葉 | 0 | 1 | 0 | 7 | 0 | 8 | ||||
ナイス | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
元ロッテドラフト1位の積水ハウス京葉・木村優太投手(32)が圧巻の投球術をみせデビュー戦を完封で飾った。ナイス打線を相手に5回まで許した安打2本、奪った三振2、与四球1、外野飛球ゼロ。ストレートは「90~100キロくらい」しかなかったが、力で牛耳るのではなく緩急をつけコーナーに投げ分け、レベルの違いを見せつけた。
ナイスは音なし。神奈川大卒の新人・池田が好投したが打線の援護がなかった。城戸監督は「こんなに差がつく試合ではなかった。練習不足」と話した。
木村投手は秋田経法大付属-東京ガスを経て2008年のプロ野球ドラフトでロッテから1位指名を受け入団。2011~2016年まで47試合に登板。1勝6敗、防御率5.24の成績を残している。2016年秋、宣告外通告を受けた。身長190センチの左腕。32歳。同社京葉支店のシャーメゾン担当。
◇ ◆ ◇
西武ファンの記者は木村投手を全然知らなかった。ウィキペディアで調べて、あああの投手かと思い出した。裏金問題が社会を賑わせていた2007年、西武が東京ガスに所属していた木村投手に「栄養費」を渡していたことが発覚し、日本野球連盟は木村投手に1年間の対外試合出場禁止の処分を下した。西武は制裁金として3,000万円を支払い、ドラフト指名を辞退させられた。〝木村投手がかわいそう〟と思ったものだ。
もちろん、その後ロッテに入団したのも知っているが、西武戦に投げたかどうかの記憶はない。ウィキペディアによると「2011年8月24日、対福岡ソフトバンクホークス戦で一軍初登板を果たし、1イニングながら強打者の内川聖一、アレックス・カブレラから三振を奪うなど能力の高さを見せつけた」とある。
その木村投手こそナイス打線を手玉に取った積水京葉の先発投手だった。
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積水京葉の先発は生田だろうと思っていた。ところが、マウンドに立った投手は左腕で山なりのボールを投げた。生田は投げられる状態ではなく、急きょ〝素人〟が登板したのだろうと判断し、早晩ナイス打線に捕まるだろうと考え、ほかの試合を見に行った。まさか5回を完封するなど夢にも思わなかった。
この日の試合後、「ストレートは90キロくらいでは」という記者の問いに木村投手は「それくらいでしょう。肩を壊しているわけではない。しばらく肩を使っていなかっただけ。投手はスピードだけでなく緩急」とさらりと語った。
これからも投げ、RBAの全投手の手本になってほしいし、他のチームの打者には攻略してRBAのレベルの高さを示してほしい。24回大会の優勝投手・生田はどうするのか。投げるのか野手に転向するのか。これも見ものだ。