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2018/05/19(土) 10:34

「余裕の超美技」 旭化成ホームズ北寒寺にエール 元鈴木監督と同級生O氏

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O氏(左)と鈴木氏

 既報の通り、RBA第29回総合優勝戦は旭化成ホームズが逆転勝ちし、3年振り14度目の総合優勝を飾った。中1週で疲れが取れないエース今野は登板回避。代わって先発した3年目の左腕沼座が初回に2失点したが、その後は立ち直り8奪三振3失点完投。打線は今野と同期の北寒寺が同点の2点3塁打など4打席出塁の活躍を見せ、新人の秋山が決勝打を放った。

◇       ◆     ◇

 試合が終わり、一休止するために飲み屋に入った。何と、案内された席の隣には先ほどまで旭化成ホームズを応援していた鈴木元監督ともう一人の男性とが座っているではないか。

 闖入するのは失礼だから、あいさつもそこそこに、立て続けに2合飲んだ。

 帰り際、鈴木氏から一言コメントを取ろうと声を掛けた。

 鈴木氏は「いいですよ。隣の方はわたしの(慶大野球部)同級生Oさん。写真? OK」と気安く受け入れてくれた。

 Oさんも「鈴木さんと一緒に写真入りで記事にされたら、分かっちゃうじゃないでか」と笑いながら、記事にすることに同意した。

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 なので、こうして記事を書く。鈴木氏とO氏は異口同音に北寒寺の流れを変えた同点打を称えた。記者が〝プロ並み〟と評価した守備については「あれは余裕ある超美技」と形容した。

 記者が〝プロ並み〟と評価し、二人が〝余裕ある超美技〟と形容したのは4-2と逆転した5回裏の守りの場面だ。2死から1番山際の三遊間を破りそうな痛烈な打球を遊撃手の北寒寺は横っ飛びして好捕、完璧な送球でアウトにした。山際は「あのショートは何者」と脱帽した。

 山際が出塁していれば、次打者は三井の主砲・大石だ。どう展開していたかわからない。北寒寺は相手に傾きそうな流れを断ち切った。

 記者は北寒寺が入社した時からのファンだ。かつて三冠王を取ったように走攻守揃ったRBAの歴史に残る選手だ。〝守備だけならプロでも通用する〟と書いた。

 デビューから十数年。さすがに衰えは隠せない。打率は3割を確保するのがやっとか(それでもすごいが)。エラーもするようになった。自身の失策で負けた試合もあった(そんな北寒寺を今野投手は「北寒寺も人の子」とかばった)。この日は盗塁失敗(ビデオ判定すれば微妙)もした。それでも今野とともにチームの〝核〟であることに変わりはない。この日の華麗な守備に、ナインは「あと10年は大丈夫」と誉めそやした。

 しかし、さすが慶大時代、レギュラーでショート、セカンドを守ったというO氏だ。北寒寺を手放しで褒めなかった。〝正面で捕れ〟といいたげだった。

 確かに。全盛時の北寒寺だったら、横っ飛びなどしなくてほんの1、2歩動くだけで難なく捕球できたかもしれない。O氏も北寒寺が40歳に近いことを十分承知の上で、一切妥協せず、より高い頂点を目指せという温かいエールを送ったということだ。

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 普段は修験者のようなそっけないコメントしか残さない北寒寺は試合後、「よく飛んだ。(チームが弱いころの監督)堀井さんとこの前飲んだのかよかった。堀井さんのお陰」などと、傍にいた元監督の堀井氏を持ち上げ、満面に笑みを浮かべ球場を後にした。

 

 

 

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