旭化成ホームズ 今野
ナミキ1-6旭化成ホームズ
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 合 計 | |||
ナミキ | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | ||||
旭化成ホームズ | 2 | 1 | 1 | 2 | X | 6 |
(時間切れ)
2ランを放った石川を迎える旭化成ホームズベンチ(シャツ姿が佐藤監督)
旭化成ホームズが快勝。4年前の主力メンバーは石坂、橋本、原田、平山とエース今野くらいか。先発は初めて聞く益川。怪物・今野が最終回の1イニング投げ、奪3三振。ナミキは初回に1点取ったが、その後はゼロ行進。
〇佐藤監督 今日は仕事。采配は青木に任せた(勤務用のシャツ姿で顔を見せた)
●高橋GM 〝美穂ちゃん〟は退社。ユニフォームは間に合わなかったので、新人の鳥居が着ている
●上森投手(55)2ランを打たれた。今日が引退試合になるかも。捕手の石津とあわせ101歳。ギネスに載るかも(最終回に投げ)
上森(左)石津
●篠監督 上森が引退? 俺がいる限り引退はさせない
●鳥居(23)〝美穂ちゃん〟? 全然知りません(RBAで「美穂ちゃん」を検索することを伝えた。今ごろは神棚に飾っているか)
鳥居
◇ ◆ ◇
「投げるのは4年ぶり。練習はしていない。ストライクが入るか分からない」といつもの調子で、今野は最終回のマウンドに向かった。緊張などまったくしていないように見えた。
先頭打者に投げた初球は外角高めのストレートか。記者はボールだと判断した。打者も見送った。ところが主審はストライクの判定(どうやらカットボール。確かに手元で曲がった)。
今野は、本業は外野の急造三塁手・渡邊の失策で走者を二人出したが、3アウトすべてを三振で斬って取った。一人の打者に先のカットボールを同じコースに1~2球投げた。打者はすべて見送ったが、みんなストライク。2死2、3塁の場面で迎えた最後の打者には0-2と追い込み、最後の球だけは内角をえぐる、今野の得意球シュートを投げた。見逃し三振。ゲームセット。
さて、皆さん。4年間投げておらず、練習もしていない「ストライクが入るか分からない」とうそぶく今野の仕上がりをどう見るか。
記者は高めのカットボールが狙い目だと思う。今野は遊び球など投げない。内角低め、外角低めは当たらないし、当たってもファウル。今野もそのつもりで投げているはずだ。だとすれば、ボールに見える高めのカットボールに狙いを定め、一発で仕留めるプランは有効ではないか。
そこで、次戦で対決する一条工務店にアドバイス。今野は、バッターボックスに立った打者をいい打者か打てない打者かを瞬時に見極める。打てないと判断した打者には手抜きもする。そんな打者に安打を許した場面を何度も見ている。
ここに隙がある。死んだふりをして、ストレート(カットボール)一本に絞る。強振するのではなく、今野に打ち返すようにすれば外野を超すかもしれない。その一打に賭ける。
何度も言う。今野は省エネに徹しており、あの西鉄の鉄腕・稲尾(1961年、42勝14敗で、シーズン最多勝の記録保持者)のように〝針の糸を通す〟ほどのコントロールがある。相手の打ち気をそそるボールを投げるかもしれないが、基本は全てストライク。ボールを投げない。こんな打ちやすい投手はいないではないか。
今野の通算成績を調べた。44歳だから、RBA野球大会は第12回大会から投げているはずだ。チームの通算成績は159勝23敗、勝率.874だ。このうち第11回大会までの28勝13敗を除くと131勝10敗、勝率.929だ。1シーズンでチームは平均7試合をこなしている。今野はこのうち5試合は投げているはずで、敗戦投手になったのは3試合しかないので、勝利投手回数は数5×20=100勝に限りなく近い。
今野はそんな記録を気にする男ではないが、この記事も読むはずだ。助平根性を起こさせたらしめたものだ。
次戦は間違いなく先発で投げる。北寒寺も出場するはずだ。一条の秘密兵器は一つ間違えば滅多打ちにあうリスクもあるが、通用する可能性はゼロではないと見た。今野に一発を食らわせ、若い打者を慌てさせれば番狂わせを演出することができるかもしれない。
あとは走ることだ。記者だったら、一か八か盗塁に賭ける。1番・北寒寺はどうしたかというと、安打でも四球でも出塁したらまず盗塁した。成功率は10割に近い。北寒寺が盗塁死したのは1つか2つ。次打者はゴロを打つ。三進だ。次打者もゴロを打つ(これは監督の指示。犠飛を打つと監督の評価は下がる)。1点だ。一条さん、こんな野球をあなたたちはできるか。