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2023/07/09(日) 23:12

凡飛をインフィールド宣告しなかった主審 「捕球態勢」は関係ないはず

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生井が凡飛を打ち上げた瞬間

 〝俺がルールブックだ〟-皆さんはご存じか。二出川延明(1901-1989)が主審を務めていた1959年、当時の西鉄・三原脩監督の抗議を一蹴したことから話題になった言葉だ。あれから64年、記者はこの日(7月9日)、審判は神聖にして侵すべからざる存在であることを改めて思い知らされた。絶対的な存在だ。でもしかし、これは書かざるを得ない。勝ったか負けたかは二の次だ。ルールは守られているのかどうかを問いたい。

 それは、野村不動産-タカラレーベンの延長タイブレーク(1死満塁)の場面だった。先攻の野村の先頭打者・生井は平凡な1塁フライを打ち上げた。記者はすぐインフィールドフライだと判断したのだが、何と1塁手は落球。打者走者の生井はその間に1塁ベースを駆け抜け、野村の三塁走者はドタドタと本塁に向かって走ったがアウト。

 結果的には走者が入れ替わっただけだが、主審がインフィールドフライを宣告しなかったのは解せなかったので、試合後に聞いた。主審は「(1塁手は)捕球態勢に入っていなかったから」と説明した。

 この説明は明らかにルールと異なると記者は思った。ルールブックを読んだ。「無死または1死でランナーが1・2塁、1・2・3塁にあるとき、バッターが打った飛球(ライナー及びバントを企てて飛球となったものを除く)で内野手が普通の守備行為をすれば捕球できるものをいう…審判員は、打球が明らかにインフィールドフライになると判断した場合には、ランナーが次の行動を容易にとれるように、直ちにインフィールドフライを宣告しなければならない」とある。

 主審は「捕球態勢」というが、ルールブックにはそう書かれていない。「直ちに」判断することだ。百歩譲ってあの場面を振り返ると、生井が打ってから1塁手が捕球態勢に入るまで3~4秒はあった。ライナーではなかった。凡飛だ。飛球は1塁ベースから2~3mしか離れていなかった。風も止んでいた。1塁手が落球するころには生井は1塁(塁間27.431m)まで半分以上達しており、故意落球でもセーフになったはずだ。

 審判は、西武の源田であろうと旭化成の北寒寺であろうとタカラレーベンの1塁手(名前は勘弁していただきたい。記者がお世話になっている広報担当者。本人にも確認したが、故意落球を企図できる技量はない)であろうと、その技量を忖度することなく「普通の守備行為をすれば捕球できる」と判断し、「直ちにインフィールドフライを宣告」すべきだったのだ。タカラレーベンの金野尾投手(これまた同社広報担当)はここから崩れ6失点(自責は1のみ)した。

 「普通の守備」とはなにを指すかは考えないといけないが、この場面を「普通の守備」と判断しなかったのであれば、RBAのレベルを見下すもので、記者は断じて許せない(コロナ禍で練習できなかったためか、送球ミスはこの試合も他の試合も目を覆いたくなるほど頻発したが、捕球は内野手も外野手もみんな素晴らしい)。

 野球にミスはつきものだが、ルールは変わらないはずだ。10年前の記事を添付する。二出川さんが生きていたら何というか。

仏の細井監督 神(審判)の誤審に怒り…涙飲む(2013/7/29)

 

 

 

 

 

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