木暮の決勝弾に沸くみずほベンチ
三井住友トラスト不動産2-2みずほ不動産販売
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 合 計 | |||
三井住友トラスト不動産 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | 2 | ||||
みずほ不動産販売 | 1 | 0 | 0 | 0 | 1 | 2 |
三井住友 市川投手
みずほ不動産販売が4連覇-双方とも三菱UFJ不動産販売を破っており、勝利すれば文句なし、引き分けた場合は得失点差で決める三井住友トラスト不動産-みずほ不動産販売は、みずほの新戦力・木暮(28)が最終回に同点本塁打を放ち、チームに優勝をもたらした。4回から登板したエース丸山もほぼ完ぺきに抑えた。三井住友は市川投手が踏ん張ったが、木暮の一発に泣いた。
みずほは初回、先頭の尾谷の四球、3番丸山の安打、4番木暮の四球で満塁とすると、続く木次谷も押し出しの四球を選び1点先制。その後は変則投球の相手投手を攻めあぐねたが、最終回、1死から木暮が狭いグラウンドをものともしない強烈な左翼越え本塁打(記者はほとんど見えなかったが飛距離は120mはあったはず)を放ち試合を決めた。3塁を守った木暮は6度の守備機会を危なげなくこなした。
先発の左腕金澤投手は、初回は無難に抑えたが、2回からスライダーがことごとくストライクゾーンの中に集まり、3回に3連打を浴び2失点、被安打5で降板。直前の前試合で5回を投げている丸山が4回から登板し、ピシャリと締めた。
三井住友は無念。3回、1死から1番久保、2番松元、3番花岡の3連打と暴投で2点を挙げ逆転。試合を優位に進めたが、最後は市川投手-山岡捕手バッテリーに魔が差したか。
〇岩本監督 木暮に尽きる。丸山も最高。鈴木もよく打った。足も活かせた
○鎌田卓史社長 危ないところもあったが、うちらしい試合(何事にも動ぜず、平常心で臨むということか)
○木暮 軟式に慣れていない? 地元(大宮)の草野球もやっています。プロ入り? 志望届を出せばその可能性はあったかもしれませんが、当時はそのレベルにないと判断しました
●近松監督 残念。でもいい試合ができた
●粕谷和彦社長 デコボコ(身長が高いのと低いのという意味。上手なのと下手な選手のことではない)なのが人間味あふれていてとてもよかった
三井住友が逆転した場面
◇ ◆ ◇
一日の長が明暗を分けたように思う。みずほが逆転された3回、記者は同社の角田氏に「金澤は危ない。このままでは負ける」と話した。角田氏は黙っていた。ところがその直後、岩本監督と梁島コーチが話し合い、投手を丸山に交代させると審判に告げた。丸山はなにもなかったように登板し、その後を抑えた。
最終回もそうだ。みずほはこの回先頭の4番宮崎は投手フライ。次打者は木暮。記者は角田氏に「わたしならここは勝負しない」と話した。その舌の根も乾かないうちに、初球か2球目を木暮は左翼超え特大本塁打した。
打たれた市川-山岡バッテリーは眠れないのではないか(とっくに寝ているか)。その前の木暮に対する2打席は四球と死球。勝負を避けたわけではないだろうが、賢明な選択だと思う。その後、後続を断ったではないか。
近松監督も木暮をマークしていた。親睦を図る大会で申告敬遠でもしたら、相手からも身内からも袋叩きにあうかもしれないが、記者はこの知的な駆け引きがたまらなく好きだ。
金澤投手