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2023/11/13(月) 23:34

息をのむ自然共生・歴史継承の取り組み 三菱地所レジ「板橋大山 大楠ノ杜」完成

投稿者:  牧田司

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中庭「翠園」から望む「ザ・パークハウス 板橋大山 大楠ノ杜」

 三菱地所レジデンスは11月13日、板橋区大山町の邸宅跡地マンション「ザ・パークハウス 板橋大山 大楠ノ杜」が竣工したのに伴うメディア向け内覧会を行った。敷地内に植わっていたクス(楠)の巨木やソメイヨシノをそのまま残した中庭をはじめ、築100年の母屋や蔵、井戸などの一部を再現した共用部に息を飲み、声を失った。同社の矜持をみた。

 物件は、東武東上線大山駅から徒歩7分、板橋区大山町に位置する14階建て全187戸(分譲は185戸)。専有面積は57.76~117.62㎡。価格は5,698万~15,990万円、坪単価350万円。竣工は2023年9月22日。売主は同社のほか三菱倉庫。施工は東亜建設工業。販売開始時期2021は年11月で、ほぼ1年間で完売。総問い合わせ件数は4,230件、総来場件数は1,290件。いきもの共生事業推進協議会(略称ABINC)の第3回ABINC賞「優秀賞」を受賞している。

 購入者の属性は、居住地は板橋区29.3%、豊島区10.3%、練馬区6.0%など。年齢層は30代41.9%、40代20.1%、20代14.1%、50代12.5%など。評価された点は①「再開発に対する資産性」「大山駅徒歩7分」「池袋3駅5分」など②中庭やジャグジー付ゲストルーム、地下駐車場、蔵など。

 最大の特徴は、同社の生物多様性の保全の取り組み「BIO NET INITIATIVE(ビオネット・イニシアチブ)」を導入し、敷地の約2割に当たる1,000㎡超の中庭「翠園」を設置していること。「翠園」には、小川を設け、敷地内にあった樹齢約90年、樹高10m超のクスの巨木2本や※ソメイヨシノ(樹高12m)をそのまま残し、カキ、ヤエザクラなども移植している。

 ※ソメイヨシノは2019年5月に行った樹木の精密診断の結果、根元に腐朽が見られたことから、接ぎ木から苗木をつくり、敷地内への植栽を行うことにしている。

 もう一つは、歴史の継承。巨木を残すこともそうだが、中庭に面して配置されている約30畳大のコモンハウス「和」は、築100年超の母屋の破れ障子や桐ダンスなどの家具、床・柱・壁材、欄間、天井板などを活用・リデザインしている。

 約10坪のマルチルーム「蔵」は、既存の房州石を外観に残し、多目的空間として利用できるよう防音工事を施し、プロジェクターやWi-Fiを完備している。室内の壁はスギの浮造り仕上げ。

 このほか、約130㎡の1階のゲストルーム「泉」は、庭園を眺めながら入浴できる大型ジャグジーバス付とするなど大胆な提案を行っている。

 内覧会に臨んだ同社プロジェクト開発部長・亀田正人氏は「当社のフラッグシップといえる物件。これまでのノウハウを最大限注ぎ込み、自然との共生を実験し、SDGsにも貢献した」と語った。

 施工を担当した東亜建設の技術者らしい方も「難しい部分が多かった分だけやりがいのあるプロジェクトだった」と話した。

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中庭「翠園」から望む「ザ・パークハウス 板橋大山 大楠ノ杜」

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小川

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既存樹のクスノキ

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クスノキ

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コモンルーム

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ゲストルーム

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ジャグジーバス

◇        ◆     ◇

 分譲開始時の記事を参照していただきたい。見出しに「ランドスケープ抜群」と書いたが、この種のマンションは珍しくはない。記憶に残っているものを列挙すると、同社物件では樹高約23mのケヤキなど40本以上の既存樹を保存した国分寺崖線エリアの「ザ・パークハウス二子玉川ガーデン」があり、徳川邸跡地に植わっていた松を避けるよう配棟したプロパスト「レゾンデパン大磯」、屋上に公園を再現した旧同潤会アパート建て替えの旭化成ホームズ「アトラス江戸川アパートメント」、既存樹約100本を残し「里山」を再現した積水ハウス「グランドメゾン狛江」、樹齢100年超のユリノキをエントランスに配した積水ハウス「江古田の杜プロジェクト」(同社の「東京テラス」「玉川上水」「杉並」「伊勢山」なども素晴らしい)、駐車場を地下化した三井不動産レジデンシャルの最高峰「パークシティ浜田山」…がある。

 分譲戸建てでは、江戸末期に建てられた蔵を残したポラス「ことのは 越ヶ谷」、オフィスなどの複合施設では、旧九段会館の一部を保存した東急不動産・鹿島建設「九段会館テラス(KUDAN-KAIKAN TERRACE)」が記憶に新しい。

 しかし、敷地規模、単価(記者は納得したが)からして、列挙した物件レベルになるとは全然考えていなかった。完全に読み違えた。同社と読者のみなさんに謝るほかない。亀田氏が話した通りだ。

 中庭も素晴らしいが、130㎡のゲストルーム「泉」にも驚いた。この広さと設備仕様レベルから判断して1泊3万円の価値があるはずだ。無料(1家族3連泊まで)とのことなので、1家族につき年間2日は利用できる計算だ。ジャグジーバスは覗かれる心配はないとみたが…(東武東上線池袋駅の階段ステップには「盗撮される貴方、みんなが見ていますよ」とあった。ドキリとし、階段を踏み外しそうになった)

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マルチルーム「蔵」蔵

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天然スギの浮造り壁(床はシート貼り)

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エントランスホール

旧九段会館を保存・復原 最新鋭のオフィスとの融合 東急不・鹿島「九段会館テラス」(2022/9/9)

反響3000件超 ランドスケープ抜群 三菱地所レジ他「板橋大山 楠ノ杜」(2021/12/11)

緑の質量に圧倒 エントランスに樹齢100年巨木「江古田の杜」街びらきに千数百人(2018/9/23)

ポラス 蔵のある街づくりプロジェクト「ことのは 越ヶ谷」蔵の補修が完了(2015/8/6)

里山を見るような見事な植栽 積水ハウス「グランドメゾン狛江」竣工(2013/9/21)


 

 

 

 

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