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2013/10/29(火) 21:56

旭化成ホームズ 坪単価で測れない価値あり「NEXT HEBEL HAUS」

投稿者:  牧田司

 

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「NEXT HEBEL HAUS 新大地」(左)と「NEXT HEBEL HAUS CUBIC(キュービック)」

 旭化成ホームズは10月28日、静岡県富士市の同社住宅総合技術研究所で戸建て住宅の新商品発表会を開き、低層戸建住宅用の躯体システム「鉄骨軸組ハイパーフレーム構法」の優れた構造性能を最大限に生かした内部空間の縦方向へのプラン自由度を高め、新たに開発した外装部材やインテリアを備えた「NEXT HEBEL HAUS(ネクストヘーベルハウス)」シリーズを平成25年11月1日(金)から発売すると発表。

 同時に、「NEXT HEBEL HAUS」を盛り込んだ陸屋根タイプの「NEXT HEBEL HAUS CUBIC(キュービック)」と寄棟屋根タイプの「NEXT HEBEL HAUS 新大地」を新たにラインアップに加え、関東、東海、関西、山陽、九州北部で販売していくと発表した。同社の主力商品にする考えだ。

 「NEXT HEBEL HAUS」は、コストアップ要因を企業努力で抑えながら「鉄骨軸組ハイパーフレーム構造」の強化を図り、1階の階高を16cm高くする仕様を導入するとともに、2階の床を約80cm下げた中間層に設置する「クロスフロア」を実現。住空間の自由度を飛躍的に高め、インテリア・エクステリアを進化させたのが特徴。2~3年かけて開発してきた。平成25年度の販売目標は3,000棟。

 「NEXT HEBEL HAUS CUBIC」は、大都市圏の狭小敷地の子育てファミリーをメインターゲットに置いた商品で、「クロスフロア」を採用することで、4層にも5層にも見える豊かな住空間を提案している。コンセプトモデルの延床面積は118.16㎡(35.8坪)。本体価格は2,930万(税抜き価格)。平成25年の販売目標は150棟。

 発表会に臨んだ同社取締役兼副社長執行役員・池田英輔氏は、「2~3年前から開発を進めてきたもので、これまでやってきたことをてんこ盛りにした商品」と語り、同社技術本部商品開発部長・加藤明氏は、「設計の自由度を高め小さくても豊かな空間を実現したことと、インテリア・エクステリアのアイテムを増やしたことの2つの進化を遂げた商品」と特徴を語った。

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池田氏

◇    ◆   ◇

 報道陣に公開された「NEXT HEBEL HAUS 新大地」は広さ約60坪。新商品の特徴であるダウンフロア400ミリ、クロスフロア、勾配屋根などを駆使して2.7m・3.2m・5.2mなどの天井高を提案した5層住宅だ。外観に木目調軒天やルーバースクリーン、キャノピーを採用し、住戸内も床・壁・天井に無垢材をふんだんに用いた「ウッディモダン」を提案している。それこそ「てんこ盛り」のモデルハウスだ。

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「カフェミックス キッチン」(左)と「キッズピット」

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「パパボックス」

◇    ◆   ◇

 記者が注目したのは「NEXT HEBEL HAUS CUBIC」だ。これまで軸組工法や2×4工法による中2階や2層吹き抜け空間の提案はたくさん見てきた。鉄骨住宅の同社の提案もこれまで見てきたものと大差はないだろうと高を括っていた。

 ところが、従来のものとは全く異なっていた。従来の中2階はどちらかといえば閉じられた空間を中2階に設置したものが多かった。

 今回の提案は閉じられた空間でもあるが、上下階やスキップフロアの隣り合う住空間との一体利用を想定したものだ。「個室を最小限に抑えている」ためもあり、床面積にして20坪の空間が0坪ぐらいの空間に見える。3.2mの天井高を実現した「クロスフロアのリビング」が上層階のダイニングキッチンや下層階の子ども部屋ともつながっているのには驚いた。新たに加えられたインテリアスタイルの「カフェミックス」も需要層のニーズにマッチした提案だと思う。

 一つだけ注文をつけるとすれば、外観だ。「キュービック」は合理的な住宅に違いないが、内部空間が素晴らしいだけに外観も魅せるものにしたほうがいいのではと思った。

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クロスフロア空間

◇    ◆   ◇

 われわれ記者は戸建てであろうとマンションであろうと、すぐ坪単価で価値を判断する。今回のプロトタイプの「NEXT HEBEL HAUS CUBIC」は約83万円で、約36坪で2,930万円だ。しかし、先にも書いたようにこの商品は坪単価で測れない価値がある。3層~4層の住空間があるからだ。

 もう一つ、この坪単価と関連することだが、間取り表示について。記者はあまり間取り表示を重視しない。基本的には居住面積だ。居住面積が間取りを決定付けるからだ。その意味で、今回の商品は○LDKとして表示ても意味がない。DK表示の物差しを超える価値がある。

 ちなみに建基法でいう「居室」とは天井高が2.1m以上で、採光と換気について一定の基準を満たさなければならないが、広さについての規定はない。マンション業界などは自主規制として4.5畳大以上を「居室」としたときがあった。

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腰窓付きのクロスフロアで住宅の特徴を話す担当者(上階のダイニングキッチンから写す)

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