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2013/10/31(木) 10:33

「未来都市モデルは成長戦略の重要な柱」 経団連シンポ

投稿者:  牧田司

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岩沙氏

岩沙弘道・経団連審議員会副議長のあいさつ文

 日本経済団体連合会(経団連)は10月29日、「日本再興への道」と題する未来都市モデルプロジェクト・シンポジウムを開いた。約500人が集まった。

 「未来都市モデルプロジェクト」は、経団連が2011年3月から11の都市・地域を選定し、世界に先駆けた社会的課題の解決を目指し官・学などと連携しながら民間企業が主体的に取り組んでいるプロジェクト。その解決モデルを世界に発信し、経済成長へと結びつけるのが目的。分野は環境・エネルギー、先端医療、次世代交通・物流、次世代電子行政・電子社会、国際観光拠点、先進農業、子育て支援・先進教育など。

 シンポジウムの冒頭、経団連審議員会副議長経済広報センター副会長・岩沙弘道氏(三井不動産会長)が挨拶した。わが国の抱えている問題、目指すべき方向が過不足なく述べられているので、ほぼ全文を紹介する。(  )内の見出しは記者が付けた。

(冒頭のあいさつ 略)

成長なき経済から再び成長軌道へ 民間の役割

 さて、わが国経済は、安倍政権が進める経済政策、アベノミクスの効果もありまして、生産、設備投資が持ち直し、企業収益や業況が改善するなど、本格的な景気回復に向けた動きを見せ始めております。こうした動きを、持続的な経済成長へと確実につなげていくことが重要です。この機を逃さずに、20年余り続いた成長なき経済から脱却し、再び成長軌道へと回帰させなければなりません。

 そのために何よりも重要なことは、アベノミクスの第三の矢である成長戦略を、着実にかつ迅速に実行していくことであります。そして、われわれ民間企業には、成長のメインプレーヤーとして、積極果敢に事業を展開するとともに、イノベーションを推進し、新たな需要を創造していくことが求められているかと存じます。

課題解決につながる未来都市モデルプロジェクト

 こうした中、経団連では、未来都市モデルプロジェクトを立ち上げ、都市を舞台にしたイノベーション実証実験を推進してまいりました。

 現在、プロジェクトが進みます全国11の都市・地域で、環境・エネルギー、医療、交通インフラ、農業等の分野において、先端技術を用いた実証実験が行われております。そして社会的な課題の解決や産業システムの変革、さらには地域の活性化へとつなげる成果が芽生えつつあります。今後は、これらの成果を事業化・産業化へと結びつけていくことで、企業の競争力強化、ひいてはわが国の経済成長へつなげていくことが重要だと考えます。

 プロジェクトを通じまして、課題解決につながるサービスを提供し、国内の新たな需要を掘り起こす、さらには、成功事例を積極的に海外展開していくことで、海外の需要を取り込むことも可能となります。このように、未来都市モデルプロジェクトは、内需と外需、2つの推進力によって、わが国の経済社会を新たな成長ステージへと離陸させる、成長戦略の重要な柱となると確信しております。

大胆な規制緩和で民間活力の発揮を

 一方で、個々のプロジェクトを進めるうえで、課題となるのが、様々な制度面での規制であります。この後のパネルディスカッションの中でも紹介されると思いますが、とりわけ、エネルギー、医療、農業といった分野の規制は厳しく、事業を進めるうえでの壁となっております。

 安倍総理は、規制改革の推進が、成長戦略の一丁目一番地だと指摘されました。我々企業といたしましても、成長戦略の担い手として、これまで以上に、積極的かつ主体的にビジネスを展開してまいります。官の皆様におかれましては、大胆に規制緩和を推進し、民間活力の発揮につながる環境を整えていただきたいと存じます。

官・民の連携がグローバル市場では不可欠

 また、未来都市モデルプロジェクトを通じまして、私どもがチャレンジしている高齢化やエネルギー・環境問題、水・食糧問題は、わが国特有のものではありません。いずれ多くの国が抱えることになる世界共通の課題であります。他国に先駆けてこれらの課題を解決することができれば、国際社会への貢献となるだけでなく、グローバルな市場で、わが国が強みを発揮することにもつながります。

 ただ、世界各地でスマートシティの建設が進んでおりまして、それに見られます課題解決ビジネスをめぐっても、国際競争が激化しております。グローバル市場での需要を取り込もうと、世界各国で都市を実験場にしたイノベーション創出競争が展開されており、欧米の先進国企業のみならず、国の政策的後押しを受けた新興国企業もプレゼンスを高めつつあります。

 このように、企業の枠を超えた、国を挙げての国際競争が繰り広げられている中で、世界の競争相手と渡り合っていくためには、官・民の連携・協調が不可欠であります。本日は、国、自治体の関係者にも多数お越しいただいております。是非、この点について、理解を深めていただければと願っているところであります。

(結び 略)

官民学の連携が成果挙げる 未来都市モデルプロジェクト(10/31)

 

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